食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 食品を輸入することは国内環境を傷害する

Importing food damages domestic environment
7-May-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-05/msu-ifd050118.php
PNASに発表されたミシガン州立大学の研究。中国で需要が急増している大豆の国際取引を検討した。中国は世界で輸出される大豆の60%以上を輸入し、その多くはブラジル産である。ブラジルが熱帯雨林やセラードを耕作地に変えていることが注目されていてその環境影響を緩和する対策がとられている。多くの人は輸入国は輸出国に環境負荷を押しつけていると考えているがこの論文ではそうではなく実際はただの交換であることを示した。中国で国内の大豆生産がコメやトウモロコシに代わった結果窒素汚染が増加した。世界市場に誘導される作物の選択は窒素や水などの需要変動を伴う。国際取引の両方向をみる必要がある。
(日本が飼料を輸入する一方なので窒素汚染がひどいというのは有名だったと思うのだが国内だけ?中国の研究者のほうが世界的プレゼンスが高いということなのだろう)

  • パンガシウス(バサ)を続けて食べると危険な量の水銀に暴露される

Continuous consumption of pangasius exposes to dangerous mercury levels
7-May-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-05/f-sf-cco050718.php
ベトナム産のPangasius hypophthalmusは世界で最も良く消費されている魚の一つで、特にヨーロッパでは。スペインの研究者らがChemosphereに発表した研究によると、冷凍切り身80検体の分析の結果、水銀濃度が0.10-0.69 mg / kg、平均0.22 mg / kgだった。週に350g食べると仮定するとTWI (4 μg / kg bw / week)の32%(女性)と27.5%(男性)になる。毎日食べると健康リスクになる可能性がある。
(このTWIは総水銀。マグロの方が高濃度。なんだって毎日食べるものではない、というのが基本)