食品安全情報blog過去記事

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その他

SCAM: So-Called Alternative Medicine
(Societas) Paperback – 1 Jun 2018
by Edzard Ernst (Author)
https://www.amazon.co.uk/SCAM-So-Called-Alternative-Medicine-Societas/dp/1845409701/ref=pd_ecc_rvi_1
Ernst先生の新著

  • 泡による健康リスクはない:専門家委員会

No health risk from foam: expert panel
http://www.news.com.au/national/breaking-news/no-health-risk-from-foam-expert-panel/news-story/ce5ff6330461522fed15a3c0c0dc46d8
独立した健康専門家委員会は、泡消化剤暴露が病気やがんの原因となるという根拠は限られるあるいは無いと結論した。軍事関連でPFAS暴露された人の検診や治療は薦めない。
月曜日に報告書発表と同時に水が汚染された地域への7310万ドルの一連の連邦予算を発表した。

  • オーストラリア保健省

Per- and poly-fluoroalkyl substances (PFAS)
07 May 2018
http://www.health.gov.au/internet/main/publishing.nsf/Content/ohp-pfas.htm

健康専門家報告は以下から
Expert Health Panel for PFAS Report
07 May 2018
http://www.health.gov.au/internet/main/publishing.nsf/Content/ohp-pfas-expert-panel.htm
(高暴露群の健康診断や検診を勧めない(does not support太字で強調)としているところに注目。安心のために、とか念のために検査しましょうというのは害のほうが多いことがコンセンサスになっていることを示す。)

http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20180330#p18
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20170404#p12
http://d.hatena.ne.jp/uneyama/20160905#p12
(軍の航空機に泡消化剤をよく使う)

  • PFASに健康上の懸念がないならどうして騒ぎに?

If no health concerns about PFAS, why all the fuss?
May 8 2018
https://www.theherald.com.au/story/5385753/questions-arising-from-federal-pfas-review/
連邦政府の専門家委員会によると、高濃度のPFAS暴露により個人の健康に大きな影響があるという根拠は現在無いそうだ。
専門家委員会は入手できる科学的根拠を読み系統的レビューをした。結果としてPFASの健康影響についての根拠は「非常に弱く一貫しない」。しかしこれはPFASの健康影響が全くないということではない。腎機能や免疫応答、甲状腺や性ホルモン、低出生体重などの健康影響についての研究は一貫していることにも言及している。そして結局PFAS類は1990年代から国際的に注目されてきて、環境中に長く留まりほ乳類に蓄積し有害であることについては科学的合意がある。だから専門家委員会はPFASの「重大な健康影響」について排除できないともいう。
ではPFASに影響されたRAAF基地のあるオーストラリアの町に住む不運な人にとってこの報告の意味は?
残念ながら専門家委員会の目的は「PFAS暴露によるヒト健康影響の可能性」を調べることではあるが、2015年に議論が巻き起こってから混乱した生活を送る住人に何か実用的な助言を提供するものではない。確かにその目的は大臣に助言することだが、根拠についての意見に留まる。それはレッドゾーンと呼ばれる地域に住み、生活がひっくり返されて病気への恐怖に怯え資産価値が破壊された人たちに道を示すものではない−まるでこれまでの全てが大した問題ではないかのように、今になって彼らの心配には根拠がないと言うだけである。
何か納得できない。
(有害物質そのものの影響より有害物質があるという情報とそれへの対策のほうが実害が大きいという良くある話。警鐘は決して「気軽に鳴らす」ものではない。)

  • チョコレートで賢くなる?

Will Chocolate Make You Smarter?
by Wellness Letter Published May 01, 2018
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food/article/will-chocolate-make-you-smarter
チョコレートが脳にいいことがわかったらほとんどの人は喜んで食べるだろう。2012年に我々はHypertensionに発表された研究が軽度認知障害(MCI)の高齢者がフラボノールの多いココア飲料を飲むことでメリットがあることを示したと報告している。この研究で使われたのはMars社が作ったココア抽出物を用いた飲料で、研究資金もMarsが出している。そしてMarsはこの製品の市販品であるCocoaViaを販売している。それ以降いくつかの研究がチョコレートやココアと認知機能との関連を調べている(以下で紹介)
批判者は140ほどの論文を出しているMarsが研究費を出した研究の客観性に疑問を持っていることに注意するのが重要である。企業がお金を出した研究のほとんどがポジティブなものである。しかし独立した研究でもポジティブなものはある。
(論文紹介略)
落とし穴
これら及び他のチョコレート研究には多くの欠点がある。多くは観察研究で因果関係はわからない。臨床研究は規模が小さく短期間である。一回だけの影響をみているものもある。
またフラボノールの至適摂取量はわかっていない。チョコレートに含まれる量はばらばらである。
カニズム(略)
基本
チョコレートが認知機能を改善するかどうかはまだわかっていない。チョコレートを食べるのは、好きで適度なら問題ないし良いかもしれないが賢くなるとは期待しない方がよい。大量を定期的に食べるのは薦めない。何より市販のチョコレートは健康的食品というよりカロリーの多いジャンクフードである。さらに全てのチョコレートがフラボノールが豊富なわけではない。時にカドミウムや鉛が多い。カカオ○○%という表示は信頼できる判断基準ではない。健康的フラボノールをとりたいなら野菜や果物を含む健康的食生活を。

Is CocoaVia the Best Cocoa Supplement?
by Wellness Letter Published May 01, 2018
http://www.berkeleywellness.com/supplements/other-supplements/article/cocoavia-best-cocoa-supplement
Marsがダイエタリーサプリメントとして販売しているココア抽出物CocoaViaは「心臓と脳の健康をサポートする健康的な血流を促進する」と宣伝されている。我々はそれを勧めない(これらの宣伝を信用していない)ものの、多分害はない(財布以外には)。それは粉末で飲料や食品に添加したりカプセルとして販売されている。
CocoaViaはコンシューマーラボの商品検査に合格し表示された内容物が含まれ質は管理されていて幾分かの根拠はある。特許をとった製造工程は加工中のココアフラボノールを維持するのに役立つので、普通のチョコレートやココアより多く入っているだろう。しかしこの会社が宣伝するような効果を期待しないように。Marsは同じフラボノール維持特許工程をダークチョコレートキャンディの一部にも使っている。
我々はその由来(カカオ、茶、ベリーなど)に関わらずフラボノールサプリメントの使用を薦めない。研究は不足していたり全くなかったり、表示されている量と違うことすらある。コンシューマーラボの検査では高含量と表示されていても全く含まれないものもあった。

  • 冠動脈のカルシウムを測定すべき?

Should You Have Your Coronary Calcium Measured?
by Wellness Letter
http://www.berkeleywellness.com/self-care/preventive-care/article/should-you-have-your-coronary-calcium-measured
2018年1月にホワイトハウスの医師によるトランプ大統領の健康診断の結果、肥満でスタチンを処方されているにも関わらずLDLコレステロールが相当高い(目標100以下のところ143)と報告された。しかし多くの人が注目したのは冠動脈カルシウム(CAC)の値で、過去10年に3回測定していて2009年は34、2013年は98、今は133と報告された。一部の医療専門家はこれを根拠にコレステロールをもっと積極的に下げるべきと言い、他の専門家はCACにほとんど意味はないという。
(以下CACの話。トランプ大統領が理想的健康体だなんて誰も思っていないだろうけどDr. Ozは問題ないといって安心させるのだろう。それが大統領の聞きたい言葉だから、だろうけれど健康には良くない。詐欺師というのはそういうもの。)

  • 冠動脈カルシウム検査に注意

Cautions About Coronary Calcium Testing
by Wellness Letter
http://www.berkeleywellness.com/self-care/preventive-care/article/cautions-about-coronary-calcium-testing
もしもあなたが心血管系リスクを知るために冠動脈のカルシウムを調べようと思っているなら以下の負の側面を知るべきである。
放射線
・誤解を招く結果
・害のない病変の偶然発見
・費用
(「最新の検査」は必ずしも良いものではないという情報は近年増加。)