食品安全情報blog過去記事

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その他

  • スイス当局はグリホサートを健康リスクがないとみなす

Glyphosate considered no health risk by Swiss authorities
May 9, 2018
https://www.swissinfo.ch/eng/politics/weedkiller_glyphosate-considered-no-health-risk-by-swiss-authorities/44106326
スイス連邦食品安全獣医局(FSVO)が作物中の残留グリホサート濃度は低く、リスクとならないと報告した。水曜日に発表した声明で、政府はEUや他の国際機関に同意した。

BVL公式(ドイツ語)
Glyphosat ist weltweit einer der am meisten eingesetzten Wirkstoffe in Pflanzenschutzmitteln.
09.05.2018
https://www.blv.admin.ch/blv/de/home/lebensmittel-und-ernaehrung/lebensmittelsicherheit/stoffe-im-fokus/glyphosat.html
参照文献
Glyphosate residues in Swiss market foods: monitoring and risk evaluation
Otmar Zoller et al. Food Additives & Contaminants: Part B, 11:2, 83-91,
https://www.tandfonline.com/doi/abs/10.1080/19393210.2017.1419509

  • アンドリュー・ウェイクフィールド:不祥事をおこした英国の医師が、如何にしてトランプのアメリカで反ワクチン活動家となったか

Andrew Wakefield: How a disgraced UK doctor has remade himself in anti-vaxxer Trump’s America
Andrew Buncombe New York | Friday 4 May 2018
https://www.independent.co.uk/news/world/americas/andrew-wakefield-anti-vaxxer-trump-us-mmr-autism-link-lancet-fake-a8331826.html
Andrew WakefieldがThe Lancetに自閉症とワクチンの関連の悪名高い、取り下げられた論文を発表して20年経った。現在彼はアメリカで非常に有害な見解を広め大統領の協力者となっている。昨年はミネソタ州アメリカ在住ソマリア人コミュニティでのはしかのアウトブレイクに直接関係した。また彼の住むテキサスでの予防接種率の低下に関係している。
2016年の夏にはトランプに合いVaxxedという反ワクチンキャンペーン映画に出ている
(長い記事。たった一人の影響力としては相当なものだろう。)

  • CDCがケシの実のマフィンの上にダニがいる不快な画像を投稿し、人々が騒ぐ

The CDC posted a disturbing image of ticks on top of a poppyseed muffin, and people are freaked out
http://www.businessinsider.com/what-ticks-look-like-cdc-2018-5
CDCが近年血を吸う害虫により媒介される病気が増えていることを報告し、その宣伝でツイッターにダニに覆われたポピーシードマフィンの恐ろしい画像を投稿した。確かに注目を集めたが不興を買って謝罪している
写真はこんな感じ
http://people.com/health/cdc-terrifies-twitter-tick-filled-muffin/
(つぶつぶ全部がダニだったら恐ろしいけれど5匹)

  • 食品安全:臭いで判断、5秒ルール、レアのバーガーは安全?

Food safety: are the sniff test, the five-second rule and rare burgers safe?
May 10, 2018  Cathy Moir
https://theconversation.com/food-safety-are-the-sniff-test-the-five-second-rule-and-rare-burgers-safe-92661
食品安全についての噂には事実に基づいたものもあるが便利だからというものもある。でも以下のものには注意
・臭いで判断
必ずしもわからない
・5秒ルール
5以外の数字の場合もあるが落としたものに微生物がつく可能性は食品や床の種類に依存する
・生肉
肉は温度計を使って加熱されたかどうかを判断するのがベスト

  • 犬に間違った食品を与えると最終的にあなたも病気になる可能性がある

Giving your dog the wrong food could end up making you sick, too
By Jacqueline Boyd
https://qz.com/1274165/feeding-your-dog-raw-meat-instead-of-dog-food-can-make-it-sick/
健康のため加工度の少ない食品を食べようとする人が増えるに連れ、一部の犬の飼い主はペットフードを生肉に変えている。最近の研究でこうした生肉の健康リスクについて懸念を表明している。まず生肉食の健康上のメリットについての根拠は限定的である。飼われている犬は野生の肉食動物ではない。最近の研究では市販の冷凍生肉から病原性微生物を検出している。犬にとってそれは大した問題にはならないがキャリアとなってヒトに病気をおこす

Can Hot Tea Cause Cancer?
by Wellness Letter Published May 09, 2018
http://www.berkeleywellness.com/healthy-eating/food-safety/article/can-hot-tea-cause-cancer
Q.とても熱いお茶を飲むと食道がんになると聞いた。ほんと?
A.可能性はある、でも注意点もある。多分あなたが聞いたのは2018年4月にお茶と食道がんの関連を報告した中国での大規模観察試験のことだと思う。この研究では火傷するほど熱いお茶定期的に飲んで、少なくとも一日一杯はお酒を飲むあるいは喫煙者の男性でのみリスクがあがっていた。女性ではみられず、飲酒や喫煙をしない人でもリスクはあがらない。そして上がった絶対リスクもごくわずかである。
IARCが南アメリカのマテ茶の研究をもとに非常に熱いお茶を「おそらく発がん性」と判断したのは事実である。理論的には非常な高温は細胞を傷つけ腫瘍を促進する。
しかしほとんどの人は火傷するような熱い飲料は飲まない。熱い飲み物の温度は飲む前に速やかに低下する。多くの人は140°F(60℃)以下を好み通常飲む前に少し冷ます。
(何故一部では火傷するようなものを飲むような文化が発達するのだろう?激辛とかも別に生理的に快じゃないよね?)

Scienceニュース
Cold parenting? Childhood schizophrenia? How the diagnosis of autism has evolved over time
By Lina Zeldovich, SpectrumMay. 9, 2018
http://www.sciencemag.org/news/2018/05/cold-parenting-childhood-schizophrenia-how-diagnosis-autism-has-evolved-over-time
Spectrumから
Duke大学の小児科と歴史教授Jeffrey Bakerによると自閉症の記述と診断の歴史は単純ではない。もともと自閉症は育て方が冷たかったせいでおこる子どもの統合失調症として記述された。それから発達障害、そして広範な障害を伴う一連の症状となった。見方が変わるに連れて診断基準も変わってきた
(以下歴史と展望。「冷蔵庫マザー」が否定されるのが1960-70年代なのだがなにかというと母親のせいにされる傾向はずっとある)

  • 期待された新しい抗がん剤に大きな挫折、この分野は拙速なのではと疑問

A promising new cancer drug has hit a major setback, raising questions about whether the field is moving too fast
By Ken GarberMay. 9, 2018
http://www.sciencemag.org/news/2018/05/promising-new-cancer-drug-has-hit-major-setback-raising-questions-about-whether-field
期待されたがん免疫療法薬の大規模臨床試験の先月の驚くべき失敗が製薬業界に反響をよんでいる。Epacadostatと類似医薬品2つの12の他の第三相試験のキャンセル、延期、縮小が3社から発表された。この薬はインドールアミン (2,3)-ジデオキシゲナーゼ(IDO)という酵素を阻害することでがん細胞への免疫系を解放するように設計されている。
新しい薬と広範に成功している免疫チェックポイント阻害剤として知られる免疫療法とを組み合わせることに熱狂して、RCTへの進行が早すぎたのではとMichael Plattenはいう。
(以下略。薬の開発は紆余曲折を経るのが普通。健康食品はテキトー)