食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

London mayor to ban junk food ads on tubes and buses
Sarah Boseley Fri 11 May 2018
https://www.theguardian.com/society/2018/may/11/junk-food-ads-to-be-banned-london-tubes-and-buses-sadiq-khan
Sadiq Khan市長によると、子どもの肥満対策としてロンドンの地下鉄とバス網でジャンクフードの宣伝は禁止される予定。この計画では砂糖入りコカコーラは宣伝できないがダイエットコークはまだ可能。マクドナルドはビッグマックとポテトは宣伝できないがサラダならできる。

March represents second-deadliest month for illicit-drug overdose deaths in B.C. history
By Richard Zussman May 10, 2018
https://globalnews.ca/news/4200279/march-deadliest-month-illicit-drug-overdose-deaths-bc-history/
2018年3月の違法薬物過剰使用による死者は161で、2017年3月の130人に比べて24%増加、最悪だった2016年12月の162人とほぼ同じ。
2018年第一四半期の初期データでは死後検査で死者の83%からフェンタニルが検出されている

  • 屋内副流煙残留物(サードハンドスモーク)の存在を調べた研究への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to study looking at presence of third hand smoke indoors
May 9, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-looking-at-presence-of-third-hand-smoke-indoors/
Science Advancesに発表された新しい研究で、副流煙残留物がエアロゾル粒子の助けを借りて屋内に留まり拡散することを示唆した。
Birmingham大学疫学と研究方法教授Neil Thomas教授
現在副流煙残留物の害についてのデータはほとんどない。また受動喫煙と区別するのも極めて困難である。この研究はこれまで報告されてきたことと同様の根拠を提示し、暴露についての知識を増やすが健康リスクについてではない。
Queen Mary University of London (QMUL)タバコ依存研究ユニット長Peter Hajek教授
この論文自体はエアロゾル形成に関するもので有害性や毒性や健康影響については何の言及もしていない。有害かどうかは用量による。しかしますますよく見られるようになった目立ちたがりのプレスリリースでは健康ハザードや有害性についての主張が突然現れる。この研究は健康リスクについては何も言っていないが、そのような宣伝無しにはニュースに値しない。

  • 専門家に聞こう 制汗剤は腎疾患の原因になる?

Can Antiperspirants Cause Kidney Disease?
by Wellness Letter
http://www.berkeleywellness.com/self-care/over-counter-products/article/can-antiperspirants-cause-kidney-disease
Q:何故制汗剤に「腎疾患の人は使う前に医師に相談」と表示してあるのか?
A:進行した腎疾患の人がアルミニウムを吸収すると問題になる可能性があるとしてFDAが要求しているからである。この警告は健康な人や軽度腎障害の人にはあてはまらない。
制汗剤の主要有効成分はアルミニウムで、一時的に汗腺を詰まらせるので汗が減る。この警告は相当過剰で、局所塗布したアルミニウムが意味のある量吸収されるという根拠はない。全国腎臓財団が言うように、「腎臓に害となる量を皮膚から吸収するのはほとんど不可能である」。制汗剤を食べたり口の中にスプレーしたりしなければ、アルミニウムを吸収するのは難しい。さらにアルミニウムは水や食品や土壌中に広く存在し、毎日食品から摂る量に比べれば制汗剤由来の量は僅かである。緩衝アスピリンや制酸剤もアルミニウムを含み、重症腎疾患の人はこれらにも注意が必要である。
制汗剤のアルミニウムが原因で腎障害になることはない(乳がんアルツハイマーにもならない)。しかし腎疾患があるなら医師に相談すること。消臭剤は汗を減らさないがアルミニウムは含まない。

SMC NZ
Should vaping, snus and heat-not-burn tobacco devices be legalised? – Expert reaction
May 11th, 2018.
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2018/05/11/should-vaping-snus-and-heat-not-burn-tobacco-devices-be-legalised-expert-reaction/
ニュージーランドイニシアチブシンクタンクの新しい報告書が、喫煙者にとってはいきなり完全禁煙は無理なので害の少ない代用品の使用を薦めるべきだと主張する
SMCはこの報告についての専門家の反応を集めた
オタゴ大学公衆衛生教授でASPIRE 2025の共同主導者Richard Edwards とJanet Hoek
2025年までにタバコフリーにという目標を達成するためには禁煙サポートのための新しい対策が必要であることは正しい。しかしこの報告では代用品の促進のみに集中している。ニュージーランドや世界で喫煙率を減らしてきた公衆衛生対策を軽視している。この報告の出資社に巨大タバコ企業3社が含まれることを考えるとこれは驚くべきことではない。これらの会社が代用品を既に作っているあるいは開発中である
Massey大学健康化学部上級講師Penelope Truman博士
政策提案を歓迎する。主な懸念は電子タバコが若い人のニコチン依存のきっかけになる可能性である

  • 培養肉が進歩し、米国の立法者は規制を要請

Scienceニュース
As lab-grown meat advances, U.S. lawmakers call for regulation
By Kelly ServickMay. 10, 2018 ,
http://www.sciencemag.org/news/2018/05/lab-grown-meat-advances-us-lawmakers-call-regulation
培養チキン、ビーフ、あひる製品が米国市場に近づいている−しかしそう規制するかは決まっていない。しかし米国下院予算委員会が今週発表した予算案の中の文言を見ると一部の議員は決まりを作りたいようだ。法案の一文がUSDAに家畜細胞由来製品の規制と規則の作成を指示する。
既に売られている植物由来の肉模造品と違って、培養肉は動物から始まる。生産方法は企業により様々であるが動物から細胞をとって培養する。最初の培養牛肉が2013年に発表されて以降、いくつかの企業が「細胞農業cellular agriculture」分野に参入している。
これらは規制機関にいくつかの疑問を投じる−それは本当に肉なのかということも含めて。2月には米国牛畜産協会がUSDAに対して「牛肉beef」や「肉meat」という単語の使用を伝統的方法で育てた動物由来のものに限定するよう請願した。しかし培養肉の監視責任がUSDAにあるのかどうかも明確ではない。FDAのほうが適切かもしれない。

  • ハンガリーの科学者は、国がトップ大学を切る準備をしているので苛立つ

Hungarian scientists are on edge as country is poised to force out top university
By Kata KaráthMay. 10, 2018
http://www.sciencemag.org/news/2018/05/hungarian-scientists-are-edge-country-poised-force-out-top-university
Viktor Orbánがハンガリー首相三期連続を確保してから、学術分野への政治的圧力が高まっている。ブダペストにある中央欧州大学Central European University (CEU)の研究者がGeorge Sorosの傭兵だとして親政府の新聞Figyelőに名指しされた。CEUには欧州全域及び英語圏のトップ学生が集まっている。政府はCEUについての質問には答えなかった。一方中国伝統医療(TCM)への傾倒を強めている。中国と協定を結び新しいTCM研究所を作る。政府は西洋医学と東洋代替医療の橋渡しをしてハンガリーの医療を改善する、という。しかし4月にはSzeged大学の生命医学部長, Zsolt BoldogkőiがTCMの影響がますます強くなっていることを嘆いてハンガリー科学アカデミーに公開文書を送付した。「鍼の理論は疑似科学でその技術は医学にはふさわしくない。大学でそれを教えることは科学と事実に基づく治療に大きなダメージを与える」
また自国主義に基づいて移民研究などへの資金提供を誘導している
(いろいろ略)