食品安全情報blog過去記事

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論文

  • ベトナムではサイの角が末期患者を落ち着かせるのに使われている

Rhino horn used to comfort the terminally ill in Vietnam
14-May-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-05/fos--rhu051418.php
アジアでは絶滅危惧のサイの角ががんや勃起不全や2日酔いなどに万能薬として幅広く使われている。新しい研究ではさらに末期患者の慰めの象徴として使われることが増えている。つまり家族ができる限りのことをしたという証拠として。飼われているサイの角では価値が低く野生でなければならないという。Human Dimensions of Wildlifeに発表されたコペンハーゲン大学の研究者らによる報告
(天然もの信仰ってゆるふわナチュラル志向とは微妙に違って金持ちおじさん達にも多いような印象)

  • デジタル通院:膨大な利益の可能性と同じくらい大きなリスク

The digital doctor's visit: Enormous potential benefits with equally big risk
14-May-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-05/tdif-tdd051418.php
BMJ。デジタル通院(電話や画像)とその記録の可能性について

  • 反ワクチンの心理学的ルーツ:24ヶ国調査

The Psychological Roots of Anti-Vaccination Attitudes:A 24-Nation Investigation
Matthew J. Hornsey et al.,
Health Psychology © 2018 American Psychological Association
2018, Vol. 37, No. 4, 307–315
https://www.apa.org/pubs/journals/releases/hea-hea0000586.pdf
近年の反ワクチン運動の高まりが一部の伝染病の増加と同時におこっている。多くの介入計画はワクチン懐疑派が根拠を理解しないあるいは知らないからだという科学コミュニケーションの欠如モデルに基づくが根拠を提示しワクチン関連神話を否定することは効率が悪く逆効果である。我々は何故反ワクチンになるのかの心理的要因を調べた。24ヶ国5323人にアンケート調査した。
結果として、反ワクチン志向が高いのは、陰謀論的思考方法、抵抗が強い、血や針が嫌い、強い個人主義/階級制世界観をもつ、人たちだった。
(欠如モデルの代わりに態度の根源attitude roots モデルで、科学を否定させる動機の背景(恐怖やイデオロギーアイデンティティなど)を理解してそれに対処することで科学否定の動機を減らす、いわゆるjiu jitsu(柔術)アプローチをとることが一つの方法。反ワクチンに大きく寄与する陰謀論的思考に「正しい」説得は逆効果とのこと。社会学の人が欠如モデルで科学者は市民を馬鹿にしていると言っていたような気がするが「柔術アプローチ」ってさらに余計なおせっかいのような?科学者にそこまで要求する?)