食品安全情報blog過去記事

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様々な受け手に不確実性を伝達することに関するEFSAと加盟国による多言語オンライン調査

EFSA‐Member State multilingual online survey on communicating uncertainty to different target audiences
7 May 2018
https://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/1413e
EFSAが不確実性に関するガイダンスを作成する中で、科学的不確実性を伝達する上で、文献が最良の方法であるかどうか不明確であることが判明した。また、専門知識を持たない受け手に情報を届けるための最良の手法に関しては、経験的根拠が不足している。そのためEFSAは2016年に、情報を受ける様々な対象者に不確実性の情報を明確に伝達することに関し、フォーカスグループスタディ(選別した参加者による調査)を委託した。この調査は2017年2月23日から3月15日まで三週間かけて実施された。調査では、EU全域の1,913人(6言語)が、不確実性の表現、すなわち質的および量的表現、概算もしくは正確な確率を用いた表現、および肯定的あるいは否定的な言い回しについての質問に回答した。その結果、どのグループでも同様に、かなりの割合の回答者はリスクを理解するのにより役立つものとして質的および量的表現を位置づけ、ポジティブな言い回しを好む傾向が多少認められた。ほぼ全部の回答者が、不確実性の情報を受け取ることについて積極的だった。言語に由来する回答者の好みの違いや、専門性の背景が異なることによる違いが軽度に見受けられたが、調査方法の制約のため、これらの原因を説明することは困難であった。この結果は、以前に実施したフォーカスグループスタディの結果と整合している。どちらの結果も、情報を受ける全ての対象者に対し、ポジティブな言い回しで量的および質的表現を用いることを支持している。いずれのグループでも、ある表現を好む人と別の表現を好む人がいながら、ほとんど全ての人がそうした表現が役に立つと認識している。これらの知見は、科学的文献の中の知見と合わせて、科学的評価における不確実性の伝達に関するEFSAのガイダンス文書の作成や、リスクコミュニケーションに関するEFSAのハンドブックの更新を活性化させるであろう。