食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

その他

  • Priorities Magazine Spring 2018

https://www.acsh.org/priorities-magazine-spring-2018
Alternative Medicine: Popular, Ineffective, Unsafe, and Unethical, by Dr. Edzard Ernst,
代替医療:人気があって効果が無く安全でもなく非倫理的:Edzard Ernst博士
25年以上代替医療を研究してきて3つの主な結論を得ている
1. ほとんどの代替療法は効果が無く、利益を経験したという患者はプラセボ効果などの他の現象による
2. 代替医療に危険性はある
3. 代替医療の実践のかなりの部分は倫理にもとる

Consumers Urged to Avoid Ginkgo Biloba Supplements
May 15, 2018
https://cspinet.org/news/consumers-urged-avoid-ginkgo-biloba-supplements-20180515
CSPIはFDAへの手紙で異物混入、有効性の欠如、出血リスクを指摘
消費者に強く警戒を呼びかけるとともにFDAに取り締まりを要求。
(いろいろ見解に相違のある消費者団体でもサプリメント(健康食品)はダメだということだけは世界中で一致している)

ラジオポーランド
Polish medical authority calls for stricter laws on dietary supplements
16.05.2018 08:30
http://www.thenews.pl/1/11/Artykul/363679,Medical-authority-calls-for-stricter-laws-on-dietary-supplements
Rzeczpospolita(新聞)によると2017年に新しく市販されたダイエタリーサプリメントは15000で、過去9年の合計より多い。中央ポーランドのŁódź医科大学の研究によるとポーランド人の50%はダイエタリーサプリメントが安全だと思っていて医学的検査はされていないことを知っているのはわずか0.5%である。新聞によるとダイエタリーサプリメントは販売前に試験が必要ない。ポーランドのダイエタリーサプリメント市場は9億4000万ユーロの価値がありポーランド人は毎年2億4000万ユーロそのような製品を購入している。一方ダイエタリーサプリメントを使用している人の11%以上が望ましくない副作用を経験している。

  • GMジャガイモ研究−結果

Tillage focus: GM potato study – see the results here
Siobhan Walsh May 15, 2018,
https://www.agriland.ie/farming-news/tillage-focus-gm-potato-study-see-the-results-here/
枯れ病耐性GMジャガイモと新しい統合的害虫管理戦略を組み合わせることで環境影響を95%減らせるという。Teagasc Oak Parkで行われている4年間のGMジャガイモ環境試験AMIGAプロジェクトの結果が発表された。
アイルランド

Fentanyl a growing concern for law enforcement as Alberta peace officer exposed to deadly opioid
By Kim Smith May 18, 2018
https://globalnews.ca/news/4219616/fentanyl-opioids-alberta-peace-officer-seba-beach/
エドモントンの西85kmほどのSeba Beach保安サービスに勤務しているJeremy Hampton保安官は土曜日に道路で粉末の入った小瓶を見つけてゴム手袋を使って拾い、事務所に持ち帰った。間もなく呼吸困難になり自分でナロキソンを注射して救急車を呼んだ。
この小瓶にはフェンタニル、MDMA、コカインが入っていた。

  • 世代毎の農業

Generations of Farming
Posted by riskmonger on May 17, 2018
https://risk-monger.com/2018/05/17/generations-of-farming/
2018年5月17日のBAFSAM総会でのプレゼン内容の紹介
50周年おめでとう!この50年間にどんなことがおこっただろうか?
祖父母の世界
祖父母の時代には世界の食糧生産と農業は今とは全く違っていた。第二次世界大戦後、食糧増産と再建は急務で農業は需要増に応えなければならなかった。我々の祖父母のもつ技術は限られていた。戦後の人口増は人口爆発脅威論をもたらしアフリカやアジアでは何度も飢饉が起こり農産物の増産が必要だった
親の世界
祖父母が両親に土地を譲る頃になると技術と科学が収量を劇的に増やしていた。農薬や肥料、進歩した交配技術などが農業生産と食糧安全保証を改善していた。しかし私達の両親はリスクとリスクを恐れる公衆の世界に対処する必要があった。科学と化学物質の魔法はリスク管理に置き換わった。特に90年代から食糧生産に合成化合物を使うことには懸念が大きくなった。技術が不確実性をもたらし消費者を混乱させているように見え、人々は信頼について話すようになった。政府も食品安全を心配し、卵にダイオキシンが見つかると政権もゆらいだ。しかし農業の宣伝はそれほど熱心に行われなかった。
我々の世界
我々の親の世代は我々に、祖父母が想像できなかったような世界を残した。収量は増加し市場は安定しどこかで不作がおこっても世界全体の食糧供給に影響しない。飢饉を思い出すのも難しくなった。人々は豊かになり多様な供給源からより多くのタンパク質を摂取している。農業も変化し、環境にも考慮するようになった。多分親の世代の成功が農業のリスクを忘れさせたのだろう。今やハザードに基づく規制の世界になった。親の世代では食品や飼料を検査してMRLを超えていないかどうかを調べ濃度は実行可能な程度低くしようとした。今や暴露濃度は関係ない、危険だとみなされるものがあればそれがどんなに低濃度でも排除しなければならない−予防原則というツールに従って
予防原則により我々の世代の化学物質政策は狂気を帯びるものになった。これを使えば何でも禁止にできる。欧州の理想主義者達はGMOを禁止し農家は古い技術しか使えなくなった。
我々の子ども達の世界
では子ども達の世界はどうなるのだろう?このままではより混乱したものになるだろう。現在テーブルを囲んでいる関係者はいなくなり、ソーシャルメディアで隆盛する人種にランダムに置き換えられるだろう。最も情動的で熱烈な人たちが成功し政策を決める。農業政策は農業をやったことのない扇動家によって決まる。リスク評価は活動家により決められ科学者は陰謀論により無視されるだろう。オーガニック信仰は再定義され希釈され食品企業は敵とみなされる。英国では牧草のみで育てたオーガニックビーフが十分できない?何の問題もない、オーストラリアから輸入すればいい。欧州には米国で政策を変えられなかった活動家が集まって培養されるだろう。
農家はどうすればいい?わからない。
将来のための今できること
悲劇が起こる前にどうすればいいだろう?何もしないことは答えではない
恐怖を煽る人たちに操られた世界を子ども達に残したくはない。私の子ども達はより良い機会を求めて欧州を離れる可能性が高い。彼らに欧州をホームと呼ぶに値するものにして欲しい。
(いろいろ略。欧州の農業の未来への絶望は良く聞く。欧州は金持ちが趣味で家庭菜園するところ、になるのかなぁ)