食品安全情報blog過去記事

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その他

  • がんを監視するが治療しないのは難しい。しばしばそれが正しい方法。

Watching but not treating cancer can be hard. Sometimes it’s the right approach.
by Steven Petrow May 20
https://www.washingtonpost.com/national/health-science/watching-but-not-treating-cancer-can-be-hard-sometimes-its-the-right-approach/2018/05/18/c19f7cb0-591a-11e8-8836-a4a123c359ab_story.html?utm_term=.58ba00d01ee7
前立腺がんを“監視しながら待つwatchful waiting”あるいはアクティブサーベイランスするのがどれだけ難しいことか、しかしそれが正しいことだという話
前立腺がんだけではなく、甲状腺がんやDCISと呼ばれる早期の乳がんでは積極的治療は寿命を長くしないのにQOLを下げる。
(がんと診断されて何もしない、を選んでも病院には通うし精神的ストレスはある。検診しない、のほうがQOLは良い。こういう記事が普通に見られるようになりつつある)

  • 中華料理店症候群:MSGは不公平に悪者扱いされてきた?

Chinese restaurant syndrome: has MSG been unfairly demonised?
Joanna Blythman  Mon 21 May 2018
https://www.theguardian.com/lifeandstyle/2018/may/21/chinese-restaurant-syndrome-has-msg-been-unfairly-demonised
MSGは頭痛や胸痛まであらゆるものの原因と非難されてきた。現在Heston Blumenthalを含む一部のシェフはそれをナンセンスだと言う
グラスゴーの、アジア人が一人もいない「アジアンスタイル」レストランで、青と黄色のVe-Tsinグルメパウダーという中国の会社のMSGの缶(中身は入っていない、装飾用)を見る。西洋ではMSGはいろいろな有害反応の原因だと非難されてきた。でも欧州で公式のE番号をもつこの添加物の烙印を再考すべき時なのだろうか?現代の「最新の」あるいは「分子調理」シェフ達は添加物を復活させている。英国で特に積極的にMSG支持なのはミシュラン三つ星のFat DuckレストランのシェフHeston Blumenthalである。「MSGが悪いことを証明した科学的論文は一つもない」。米国ではMomofuku食品グループの創始者David Changが「科学を使って料理の喜びを」広げる声の大きい大使である。「今は何でも、ナチュラルで、シンプルで、古いものが求められる。科学はおっかないものだと洗脳されている。MSGは多くの消費者に合理的でない恐怖を引き起こすがそれは単なるナトリウムイオンがくっついたグルタミン酸であり、我々の身体に自然に含まれる。MSGそのものが天然に存在しないのは事実で、科学的発明である。しかしたくさんの研究がそれが人を病気にすることを示すのに失敗してきた。食品を美味しくするだけだ。」
中華料理店症候群は「文化的構成概念“cultural construct”」以上のものではない。それはMSGを避けることは西洋人のアジア諸国への無視あるいは人種差別の発現であるということを丁重に表現したものである。
この症候群は一部の英国人にとってはリアルである。使うべきではないという中華料理シェフもいる。「どんな人工物も長期健康影響は確実にわからないのだから行くべきではない危険な道である」一方味の素はMSGは最もよく調べられてきた食品成分の一つで一世紀以上使われてきたという。EUでもMSGは認可されているが昨年EFSAが再評価した。
製造業者はMSGやその他のグルタミン酸添加物を食品の自然の風味を真似るために使う。皮肉なことに近年食塩を減らすため使用量は増えている。しかしどの企業も法的規制値は守らなければならない
(池田菊苗の話等いろいろ略。中華料理店症候群には白人の、アジアは汚いあるいは危険という偏見が寄与していることが記述されているので。)