食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

意見等

  • 紅茶と注意力の改善: 規則(EC) No 1924/2006第13条5項に基づく健康強調表示の評価

Black tea and improvement of attention: evaluation of a health claim pursuant to Article 13(5) of Regulation (EC) No 1924/2006
First published in the EFSA Journal: 24 May 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5266
申請者のUnilever NV社は、紅茶について、「注意力を改善する」という健康強調表示を、新たに作成した科学的根拠に基づいて申請している。NDAパネルは、紅茶と健康効果との関連が十分に特徴づけられており、また、「注意力の改善」は有益な生理学的効果であると結論付けた。申請者は、主張する健康効果は、紅茶の固体成分に含まれるカフェインとL-テアニンの協調作用であると提唱したが、NDAパネルは、申請者が提出した3人のヒトを対象とした介入試験からは、そうした効果はカフェインの量により説明されると結論付けた。
健康強調表示どおりの効果を得るためには、75 mg以上のカフェインもたらす紅茶を90分以内に2〜3杯摂る必要がある。

  • ヨーロッパブドウの茎のタンニンをブドウの木の防カビ剤として植物保護の目的に使用するための基本物質申請に関する加盟国とEFSAの協議結果

Outcome of the consultation with Member States and EFSA on the basic substance application for Vitis vinifera cane tannins for use in plant protection as fungicide on grapevine
First published in EFSA Supporting Publications: 24 May 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1414
ヨーロッパブドウの茎のタンニンを基本物質申請することに関して加盟国とEFSAが意見収集を行ったが、その期間に挙げられた具体的な点について、EFSAの科学的見解をこの報告書に提示している。

  • ビューベリシンとエンニアチンのin vivo毒性および遺伝毒性: マイコトキシンビューベリシン(BEA)とエンニアチン(ENNB)のin vivo毒性および遺伝毒性を調べるための組合せ手法

In vivo toxicity and genotoxicity of beauvericin and enniatins. Combined approach to study in vivo toxicity and genotoxicity of mycotoxins beauvericin (BEA) and enniatin B (ENNB)
First published in EFSA Supporting Publications: 24 May 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1406
(外部委託試験)
ビューベリシン(BEA)とエンニアチン(ENN)は、フザリウム属のカビが産生するマイコトキシンで、食品や飼料中に検出されるが、それらの参照値を確立するにはデータが不足している。ここでは、統合的手法を採用してBEAとENNの経口毒性を検討した。ENN類の中から、被験物質としてエンニアチンB (ENNB)を選択した。この手法は、以下のように構成されている。i) in vitro遺伝毒性試験および急性iv vivo遺伝毒性試験。ii)遺伝毒性、免疫系、内分泌系、ならびに神経系のエンドポイント、および生殖/発生毒性スクリーニングに関する反復経口投与毒性試験。BEAの遺伝毒性のエンドポイントについては、反復投与において、コメットアッセイで十二指腸と腎臓に陽性影響が認められた以外は、いずれも陰性であった。BEAの免疫毒性は、雌マウスにおいて、脾臓エフェクターT細胞の数および機能的活性の増高として認められた。BEAの反復投与試験に基づくと、雌マウスにおける無毒性量(NOAEL)は、1 mg/kg体重/日であった(甲状腺の核濃縮と子宮内膜の過形成に関して)。雄では、NOAELは0.1 mg/kg体重/日であった(甲状腺コロイドの減少および血清T4濃度の変化に関して)。母動物のNOAELは0.1 mg/kg体重/日(胸腺重量の増加に関して)、発生に関するNOAELは10 mg/kg体重/日であった。ENNBの遺伝毒性は、急性投与の場合に骨髄および肝細胞で認められたが、反復投与の場合には認められなかった。ENNBの免疫毒性は、雌雄両方で認められ、活性の抑制/阻害を示唆する所見が特に雄で著明であった。ENNBの反復投与試験に基づくと、雌マウスにおけるNOAELは、0.18 mg/kg体重/日であった(胸腺、子宮および脾臓への組織形態計測学的影響に関して)。雄マウスにおけるNOAELは、1.8 mg/kg体重/日であった(十二指腸細胞の空胞化および脳における反応性酸素種の増加およびグルタチオンの減少に関して)。母動物のNOAELは1.8 mg/kg体重/日(白脾髄の減少および白脾髄に対する赤脾髄の割合の上昇に関して)、発生に関するNOAELは18 mg/kg体重/日であった。