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飼料中のフモニシン類、それらの修飾型(modified forms)および潜伏型(hidden forms)の存在に関連する動物の健康におけるリスク

Risks for animal health related to the presence of fumonisins, their modified forms and hidden forms in feed First published in the EFSA Journal: 25 May 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5242
フモニシンは、主にFusarium verticillioidesおよびF. Proliferatumによって産生されるマイコトキシンで、特にトウモロコシなどの穀物に主として発生する。EFSAは欧州委員会から、飼料中のフモニシン類、それらの修飾型(modified forms)および潜伏型(hidden forms)が関連する動物の健康へのリスクに関し、科学的意見を求められた。飼料中に最も一般的に見られるフモニシン類の種類は、フモニシンB1 (FB1)、FB2およびFB3であり、そのためこれらは評価の対象に入れられた。FB1、FB2およびFB3は、同じ作用機序を有し、毒性学的プロファイルや効力も同等であると考えられていた。フモニシン類に関してはEFSAのCONTAMパネルが、ウシ、ブタ、家禽(ニワトリ、アヒルおよびシチメンチョウ)、ウマにおける無毒性量(NOAELs)を、魚類およびウサギにおける最小毒性量(LOAELs)を特定している(魚類についてはコイの値を外挿)。ヒツジ、ヤギ、イヌ、ネコおよびミンクについては、リスク評価の基準点が特定できなかった。食餌性暴露量は、FB1、FB2およびFB3に関し、18,140件の飼料検体から推算された。これらの検体は、フモニシン類が存在する可能性がある飼料用農作物の多くを代表するものであり、2003〜2016年の間に欧州の19ヶ国から集められたが、それらの多くは4加盟国から得たものであった。“hidden forms”の存在の可能性を考慮して、汚染実態データに1.6という追加の係数が適用された。この係数の値は文献に由来する。フモニシン類の”modified forms”については、汚染実態についても毒性についてもデータが確認されておらず、そのためこの評価には含めなかった。推定平均暴露量に基づくと、FB1、FB2ないしはFB3を含む飼料による健康への有害影響のリスクは、反芻動物では非常に低く、家禽、ウマ、ウサギおよび魚類では低く、ブタでは懸念となる可能性が認められた。同様の結論がFB1、FB2およびFB3とそれらの“hidden forms”を合わせて評価した場合にも導かれた。ただしこの場合、ブタにおける健康への有害影響のリスクは懸念されると判断された。