食品安全情報blog過去記事

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その他

  • さらに多くのオランダの卵にフィプロニル汚染

More Dutch eggs contaminated with fipronil
NL Times May 29, 2018
https://nltimes.nl/2018/05/29/dutch-eggs-contaminated-fipronil
先週OverijsselのTilligateの養鶏場の卵からフィプロニルが検出され3000羽の鶏が処分され45000個の卵が破棄された。この農場は9か月前に同じような状況に遭い、2回目の打撃である。無作為検査で発見され、理由は不明である。農家は新聞に対して昨年のものが農場に土壌汚染として残っていたのではないかと語っている。鶏は歩き回って土を食べるので。
(今までなかったのに?)

  • 緑茶に含まれる化合物と心臓発作の研究への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to study on a compound found in green tea and heart attacks
June 1, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-on-a-compound-found-in-green-tea-and-heart-attacks/
Journal of Biological Chemistryに発表された研究がin vitroで緑茶に含まれる化合物のアミロイド小繊維への影響を調べている
Quadram生命科学研究所研究部長(ポリフェノールと健康)Paul Kroon博士これは実験室での興味深い研究であるが、影響を出すのに必要な濃度は緑茶を飲んだり緑茶カプセルを安全に摂取することで得られる量より遥かに多い。実際、エピガロカテキンガレートには実験室で無数の健康によい可能性のある影響が示されてきたが、吸収が悪く体内で不安定なためこれらは人では見られない。著者らはそのことを認識していて、生物学的利用度が高く安定な類似化合物ができればヒトでも影響が見られるかもしれないと主張しているが、それはおそろしくハードルが高い。なぜなら効果に必要なガレートエステルの部分こそが吸収が悪く不安定である原因なのだから。
Sheffield大学心血管系医学教授で名誉心臓相談医Tim Chico教授
これは極めて初期段階の生化学研究である。EGCGが一部の病気の血管に見られるタンパク質を壊すのに役立つことを報告した。しかし治療に繋げるにはあまりにも初期である。
従ってこの(やや誇大な)プレスリリースは患者に虚偽の期待を抱かせないことが重要である。緑茶を飲むべきか?もし好きならイエス、ただしこの研究は理由ではない。
University College London臨床データ科学上級臨床講師Amitava Banerjee博士
これは実験室でのin vitro研究で、in vivoで同じことがおこることを証明したものではない。EGCGの効果に意味があるのは心臓発作や死亡率の削減などの「ハードアウトカム」への影響が臨床試験で確認された場合である。緑茶を飲むように勧める前に集団レベルでのしっかりした研究が必要である。アテローム動脈硬化を予防する既に証明された方法が多くある(禁煙、運動、食生活改善など)。心臓専門医として、私はこれらの方法に集中し続ける。

  • 若者の電子タバコ使用に関する意見表明への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to position statement on ecig use in youths
May 31, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-position-statement-on-ecig-use-in-youths/
国際呼吸器学会フォーラムが若者の電子タバコ使用に関する意見表明を行った
Leeds大学応用社会心理学教授Mark Conner教授
子どもや青少年の電子タバコ使用に関して、この報告は正しく喫煙より害が少ないということではなく全く吸わないより害が多いという事実に注目している。青少年や子どもでタバコを電子タバコに置き換えたことによる根拠はなく、電子タバコの使用がその後の喫煙に関連することがわかっていることから、この報告は電子タバコの使用を予防する各種対策を呼びかけている。これは歓迎する。
Queen Mary University of London (QMUL)タバコ依存研究ユニット長Peter Hajek教授
この文書は「意見表明」で、反電子タバコの立場を明確にしている。残念ながらこれは誤解を招く提示をしているだけではなく実際の根拠とも矛盾する。電子タバコ非喫煙者に依存性があると主張しているが、非喫煙者が定期的に電子タバコを吸うことは希である。十代の電子タバコの使用はその後の喫煙に誘導すると主張しているが実際には青少年の喫煙率は減少し続けている。もしこの助言にある規制を行ったら現在電子タバコを使用しているうちの一部が喫煙に戻る可能性がある。