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ヘルスカナダ(カナダ保健省)、イミダクロプリドの使用に関するパブリックコメント募集

Health Canada launches consultation on use of imidacloprid pesticide
May 31, 2018
https://www.canada.ca/en/health-canada/news/2018/05/health-canada-launches-consultation-on-use-of-imidacloprid-pesticide.html
ネオニコチノイド類の一つであるイミダクロプリドについては、ミツバチなどの授粉媒介者を守るために、いくつかの用途での使用を段階的に禁止することが提案されている。
カナダ国民は、農薬の使用が及ぼす環境への影響を気にかけている。カナダ政府は科学的根拠に基づき、農薬が安全に使用され、ヒトや環境を脅かすことが無いように評価を行っている。このことを念頭に、カナダ政府は、ミツバチなどの授粉媒介者をイミダクロプリドへの暴露から保護するための最新の提案に関し、国民の意見を聞いているところである。
ヘルスカナダの科学的評価では、イミダクロプリドのいくつかの用途での使用は、ミツバチなどへリスクを及ぼす可能性があることが示された。そのため、ヘルスカナダはイミダクロプリドの大幅な使用制限を提案している。この提案には、いくつかの用途での使用認可の取り消し、使用時期の制限、および製品ラベルの刷新が含まれている。
この提案についてのパブリックコメント募集が90日間行われる。受け取った意見や助言は前回受け取ったものと併せて、また水生昆虫の保護のために2016年に提案された別の制限案も含めて検討に供される。2018年12月までに最終的な決定を発表する予定である。
◇簡単な背景説明
3種類の重要なネオニコチノイド類、すなわちイミダクロプリド、クロチアニジンおよびチアメトキサムは、現在カナダで農業における使用が認可されている。これら3種類とも、現在再評価中である。
イミダクロプリドは、農産物の種の被覆によく使用されており、昆虫による食害から種を守り、生長時の植物を保護する。植物や露出した土壌に散布したり、顆粒状のものを芝生に撒いたり、樹木に注入したりする場合もある。
ネオニコチノイドで処理したトウモロコシやダイズの種を植え付ける際の粉塵からミツバチたちを保護するために、ヘルスカナダが前回提起した活動を実行に移して以降、報告されるミツバチの死亡や他の有害影響は70〜92%の減少を示している。