食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 裁判官はNHSが根拠のない錠剤にお金を出すのは止めると決定したことに反対するホメオパシーの訴えを却下

Judge dismisses homeopathy challenge against NHS decision to stop funding unproven pills
Jon Sharman |10 hours ago
https://www.independent.co.uk/news/health/homeopathy-nhs-prescriptions-medication-pills-high-court-a8385036.html
英国ホメオパシー協会(BHA)などによる努力は高等法院の判断で終わることになった。
このことをNHSイングランドのSimon Stevensは歓迎する
判決等へのリンクあり

  • モンサントはバイエルに売られて悪名高い名前を捨てる

Monsanto to ditch its infamous name after sale to Bayer
Mon 4 Jun 2018
https://www.theguardian.com/business/2018/jun/04/monsanto-to-ditch-its-infamous-name-after-sale-to-bayer
遺伝子組換え食品の同義語として環境活動家達の長期にわたる標的とされてきたモンサントの社名が消える。ドイツの企業バイエルへの売却が終了した
117年続いたモンサントのブランド名は無くなる。モンサントは1901年にミズーリ州セントルイスで創設され、ベトナム戦争で使われた除草剤Agent OrangeとGM作物を作ったことで「アメリカ企業の悪徳の象徴」とされてきた
(全然関係ないところで「モンサントの陰謀」とか言ってる人を見分けるのに便利な単語ではあった。)

  • 風車のそばに住むことはヒト健康に負の影響があるか?

Does living near wind turbines negatively impact human health?
5-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/aiop-dln060118.php
一部の人たちは風車の可聴および可聴以下の騒音で睡眠障害を報告する;カナダの研究者が初期の研究を再評価した。
カナダ統計局が2013年9月から行った「地域の騒音と健康研究」のデータを再解析した結果をJournal of the Acoustical Society of Americaに発表した。驚くべきことではないが、騒音の大きい地域の住人のほうが遠いところの住人よりうるさいannoyedと報告することが多い

  • 飲酒と病欠についての研究への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to study of alcohol consumption and sickness absence
June 6, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-of-alcohol-consumption-and-sickness-absence/
Addictionに発表された研究が飲酒と病欠日数の関係を調べている
アルコール研究UKの研究と政策開発部長James Nicholls教授
この大規模研究は、労働日数が減るのは飲酒する人より全く飲まない人である可能性を示唆するが理由は不明である。医学的理由で飲酒を止めた人の影響を考慮しているがまだ問題かもしれない。さらにお酒を飲まない人は貧しい人である可能性が高く、それは健康状態の悪さに大きな影響がある。
それでもこの知見は重要で、低リスク飲酒は定年前の病気とは関連せず、大量飲酒は怪我や中毒が多いことと関連することを示した。
この研究は文脈を見る必要がある。生涯リスクではなく2日酔いのような短期影響はみていない。この知見はアルコールが良いことの根拠にはならないがほどほど飲酒が病欠につながる可能性はないだろうことを示唆する
UCL上級研究員James Doidge博士
この研究は飲酒量と健康にU字型の関係があることを病欠を指標に使って調べた。全く飲まない人の方がほどほどに飲む人より病欠が多かった。これは健康に問題があって飲めないという因果関係の逆転で説明できるだろう。

  • 将来の食糧、農業、環境に対する専門家の反応

expert reaction to the future for food, farming and the environment
June 6, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-the-future-for-food-farming-and-the-environment/
DEFRAの委員会が「将来の食糧、農業、環境」を発表した
生態学と水文学センターBridget Emmett教授
農業と環境の重要な関連を認識した公共の善のための公費支出提案は歓迎できる。しかし森林の多様性拡大による利益の可能性が見過ごされている。さらに我々の育てたり食べたりする食品を変えることにより農業と環境とヒトの健康を関連づけることや大気汚染への影響も見過ごされている
Exeter大学環境経済学教授Ian Bateman教授
動物の適切な福祉のために公費を使うべきという主張は動物に酷い扱いをしない人にお金を払うことになるとモラルハザードの恐れがある。むしろ貧困な福祉を禁止する明確な規制を行った方がよい。この報告では一部の農業拡大で公衆衛生が改善されると主張するが、意図はわかるが間違っている。食糧を手に入れることは公共の善であり食糧不足を予防するのは極めて重要である。しかし最も貧しい消費者に質の高い食品を与えるために、生産者に補助金を出すのは、良くても極めて効率が悪くおそらく完全な無駄になるだろう。食品生産者は最も高値で買う人に売り、貧しい人のところには行かないだろう。食品の生産にではなくアクセスの方に補助金を出すべきである。
環境を良くするために農家にできることか重要だとしたことは正しい。現在の補助金システムは全体として不公平で、納税者のお金の3/3は最も豊かで最も規模の大きい農家に使われている。理由は単純に土地が広いから。同じ金額を最も貧しい農家に割りあてることで環境改善に大きな影響があるだろう
Hertfordshire大学食糧政策と安全保障教授David Barling教授
この報告書は政府がこの国の食糧の未来を政治で解決することに失敗したことを明確にした。その代わり農業と環境の関係を強調している
Rothamsted研究所長Achim Dobermann教授
この報告はDefraによる将来の農業についての意見募集を歓迎しているが同時に将来の農業政策の資金や時期や使い方についての詳細がすぐに必要であることを強調している。政府は2019年5月までに農業生産性計画を作るべきだという提案には賛成する
John Innesセンター長Dale Sanders FRS教授
Exeter大学生態学保全センターRichard ffrench-Constant教授
(略)