食品安全情報blog過去記事

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論文

  • よく見られるカメのがん治療はヒトのがんから学ぶ

Scienceニュース
Cure for a common turtle cancer takes a lesson from human cancers
By Elizabeth PennisiJun. 7, 2018 ,
http://www.sciencemag.org/news/2018/06/cure-common-turtle-cancer-takes-lesson-human-cancers
腫瘍を外科的に除去してその後フルオロウラシルで化学療法をすることでしばしば致死的なカメの線維乳頭腫の再発率を60%から18%に減らした。Communications Biologyに発表。この腫瘍はウイルスにより拡がり日光がリスク要因

  • 農業用オーガニック昆虫抑制剤

Organic insect deterrent for agriculture
6-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/tuom-oid060618.php
昆虫を殺すのではなく忌避させるタバコ成分センブラトリエノールを遺伝子組換え細菌に作らせて植物にスプレーする。ミュンヘン工科大学のGreen Chemistryに発表された研究
(オーガニックって遺伝子組換え微生物はいいわけ?)

  • 消費者の食品選択は気候変動に寄与する温室効果ガスの削減に役立てる

Consumer food choices can help reduce greenhouse emissions contributing to climate change
7-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/tuhs-cfc060718.php
米国の食品購入選択の影響を推定。Food Policyに発表。
排出量が多いのは赤肉。人種では白人が最も多い。お金持ちの大卒集団が温室効果ガス排出量が多く、減らせる。

  • 腎疾患患者では違法薬物の使用は病気の進行と死亡に関連

In kidney disease patients, illicit drug use linked with disease progression and death
7-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/ason-ikd053118.php
Clinical Journal of the American Society of Nephrology (CJASN)に発表。
・慢性腎疾患患者ではハード違法薬物使用は腎疾患の信仰と早期死亡に関連する
・喫煙は早期死亡リスクの高さと関連
・飲酒は早期死亡リスクの低さと関連

  • 子どもは減塩法を学習できる

Children can learn ways to significantly reduce salt usage
7-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/e-ccl060418.php
Journal of Nutrition Education and Behaviorに発表された7-10才の子どもを対象にしたオーストラリアでの研究。減塩には商品の組成変更のような集団ベースの対策と個人の行動変容対策がある。子どもの頃からの塩への好みは生涯塩摂取量に大きく影響する。この研究ではウェブベースの教育を含む介入で塩の使用量が減った。

  • がんは糖尿病リスクを上げるか?

Does cancer increase risk of diabetes?
7-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/jn-dci060518.php
韓国の観察研究。がんは糖尿病リスクの増加と関連する。JAMA Oncology

  • 悪いニュースは群衆ヒステリーになることを新しい研究が示す

Bad news becomes hysteria in crowds, new research shows
7-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/uow-bnb060718.php
Warwick大学の新しい研究によると、テロや疾患アウトブレイク、自然災害、その他脅威についてのニュースは、人から人へ伝えられるとますますネガティブに、不正確に、ヒステリックになる。バランスのとれた中立の事実に人々を注目させてもヒステリーは宥められない。情報を共有する人が増えれば増えるほどますますネガティブに、事実からかけ離れ、修正しにくくなる。ソーシャルメディアの解析。Risk Analysisに発表。
(口伝ではなく、根拠が残るテキストでも歪むのかぁ)

  • 合成大麻('スパイス', 'k2')の使用は若者の脳卒中リスクを上げるかもしれない

Synthetic cannabis ('spice', 'k2') use may boost stroke risk in young users
7-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/b-sc060718.php
BMJ Case Reportsに心疾患家族歴のない、典型的心血管系疾患リスク要因もない拘留中の25才男性を治療し障害が残った事例が報告され、警告している
(どうして刑務所で薬物が使えるか)

  • インドの地下水にはウラン汚染が拡がっている

Widespread uranium contamination found in India's groundwater
7-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/du-wuc060718.php
Environmental Science & Technology Lettersに発表されたDuke大学による研究。
Rajasthan州と Gujarat州の324の井戸水を分析した。Rajasthan州では約1/3がWHOの飲料水基準(30 micrograms /L)を超えるウランを含んでいた。
(天然物、有害影響の指標は腎毒性であって放射能ではないことに注意)

Ukrainian villages still suffering legacy of Chernobyl more than 30 years on
8-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/uoe-uvs060718.php
Exeter大学グリーンピース研究室の科学者とウクライナ農業放射線学研究所による新しい研究によるとチェルノブイリ原子力発電所から約200kmのRivne地域の個人農場の牛乳の放射性セシウムは14ヶ所中6ヶ所で成人の基準値100 Bq/Lを超え、子どもの基準値40 Bq/Lを超えるのは8ヶ所だった。最も高濃度だったのは500 Bq/L.
Environment Internationalに発表。
グリーンピースが大学での中立の研究を装って活動していることに注目。
Science shaping campaigns
https://www.greenpeace.org.uk/science-shaping-campaigns/
グリーンピースの活動に役立つデータを出すことが目的。
多分測定データそのものは嘘ではないだろうが測定する場所やものの選定とその解釈は相当バイアスがある。)