食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

論文

  • 予想される環境変化は世界の野菜生産を相当減らす可能性がある

Predicted environmental changes could significantly reduce global production of vegetables
11-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/lsoh-pec060818.php
気候変動の負の影響を最小限にするためには、新しい作物品種へのアクセスの優先化と農業の改善が必須である
PNASに発表されたWellcome Trustの出資したロンドン大学衛生熱帯医学大学院(LSHTM)の研究。気温の上昇と水不足の影響を評価。変化する環境の中で「今までと同じ」ようにしていたら同じ量は収穫できなくなる。

  • より温暖な気候は世界のトウモロコシの価格変動を劇的に大きくする

Warmer climate will dramatically increase the volatility of global corn crops
11-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/uow-wcw060618.php
PNAS

  • p53と私

NEJMの「展望」コーナー
p53 and Me
Shekinah N.C. Elmore, M.D. N Engl J Med 2018; 378:1962-1963
https://www.nejm.org/doi/full/10.1056/NEJMp1803542
2010年に私は医学部に入ったが、その年は私の遺伝的危機であった。小児横紋筋肉腫を生き残り、乳がんと肺がんと同時に診断されてどうやって生き残るかを考えていた28才の私は遺伝子検査を受けてみないかと薦められた。P53に変異があることがわかりパニックになった。いつでもどんながんにでもなりやすいという変異はイマジネーション全体を変えた。私は自分の遺伝子を知ったことで力を得たのか破壊されたのか?私はがん専門医として訓練中の医師だから知ることは前提だが全ての人にとって知ることがベストだとは思わない。遺伝子を知ることは医師と患者がその結果を知って対応できる場合にのみ力となる
(いろいろ略)

  • マンゴーが女性の心血管系と腸の健康を改善する

Mangoes helped improve cardiovascular and gut health in women
11-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/wsc-mhi060718.php
USDAと米国マンゴー委員会の資金援助によるカリフォルニア大学Davis校が行った臨床研究。Nutrition 2018 とThe FASEB Journalに発表。大学広報部と広告代理店Weber Shandwick 社が誇大広告
閉経後の健康な女性24人に毎日330gのマンゴー(Ataulfo)を14日間食べてもらってその後13日間マンゴーは食べない。心拍、血圧、血液、呼気などを検査。マンゴーを食べて2時間後の収縮期血圧が下がった、呼気にメタンが検出された6人のうち3人でマンゴーを食べた後メタン濃度が低下した。
(典型的な「ためにする」研究だがあまり明確ではない結果のようだ。こういう単なるマーケティングを、研究者や大学が喜んでやっている現状が残念。)