食品安全情報blog過去記事

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査察報告

  • 特定の食糧生産動物集団や食品中の人畜共通感染症細菌および共生細菌における抗菌剤耐性の監視・報告体制の評価−フランス

2018-6307 - evaluate the monitoring and reporting of antimicrobial resistance in zoonotic and commensal bacteria in certain food-producing animal populations and food - France
13/06/2018
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_inspection_ref=2018-6307
2018年1月30日から2月8日にかけてフランスで行われた査察の報告。人畜共通感染症最近および共生細菌における抗菌剤耐性(AMR)を欧州で統一的に監視・報告することに関するEU法で定められた規則の実施状況を評価した。また、AMRの監視・報告に関する良好な実践例の情報収集も行った。
フランスの管轄機関が構築している公的監視・報告体制は、人畜共通感染症最近および共生細菌におけるAMRの監視・報告に関する決議2013/652/EUの目標の大部分を達成することができ、良好に機能している公的検査室のネットワークに支えられている。だが、その体制は、予定を定めたサンプリング計画の効果的な実施を保証し、サンプルの代表的意義を強化するためには、さらに改善を施さなければならない。
農場における抗菌剤治療に関する情報の取得についてはいくつかの好例が認められ、それらは抗菌剤の使用とAMRの検出状況との関連を確立するのに役立つ可能性がある。
この報告書には、問題点の是正と管理施策の実施強化のための助言が付されている。

  • 家禽肉および家禽肉由来製品−モロッコ

2017-6227 - Poultry meat and products derived therefrom - Morocco
12/06/2018
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_inspection_ref=2017-6227
2017年の12月4日から14日にモロッコで実施された査察の報告。EU向け家禽肉および家禽肉由来製品の生産を監督する公的管理体制および認証手続きが、それらの製品の生産がEUの法律要件を満たしていることを保証できているかどうかを評価した。特に、重視されるモデル動物における証明書や公衆衛生証明書の適切な発行を支援できるかどうかが着目された。
全体的に、モナコの管轄機関が家禽肉および家禽肉由来製品の生産チェーン全体に対して実施している公的管理は、満足すべきものと判断される。この報告書で特記される主な結論の概要は以下のとおりである。
モナコの国内法と施策は公的管理に法的根拠を与えており、家禽肉および家禽肉由来製品のEUへの輸出において、EUの要件は概ね満たされている。
モナコの諸所轄官庁により運用されている現行の制度は、EUがリストアップした施設が十分に法令を遵守していること、およびEUが輸入においてい必要とするモデル動物と公衆衛生証明に関する要件を満たすことを保証できている。2ヶ所の食鳥処理場を除き、査察したすべての施設がおおよそ要件を満たしていた。家禽肉製品施設では、訪問した4ヶ所の食鳥処理場や検査室は受容できる基準を有していたが、ある地域の2ヶ所の食鳥処理場では、深刻な不備の記録が無く、そのため是正が図られないなど、数多くの大きな欠点が認められた。この地域では、強制執行も行われていなかった。
• 施設がEUの要件を確実に順守するための規制法やEUへの輸出が認可される施設のリストの作成手順は、まだ実効化されていない。
• 管轄機関は、認可された食鳥処理場が、適切にデザインされた処理ラインを持っていることを保証していない。適切なデザインとは、食鳥肉処理過程が持続的に進められ、汚染区域と清浄区域との間が隔絶されることなく食鳥肉処理ラインの様々な箇所で交差汚染が避けられるようになっているデザインのことである。
• 全般的に公的管理は、EUの生産チェーンに入ってくる家禽に関し、EUの動物福祉要件を満たしていることを保証できていない。
• 公的管理制度は、認定公的検査室のネットワークによって支えられており、それら検査室は信頼性のある検査結果を提示している。
• 認証の原則はEUの要件に準拠している。
この報告書には、問題点への対処の見地から、多数の助言が付されている。

  • 水産製品−ブラジル

2017-6278 - Fishery products - Brazil
13/06/2018
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_inspection_ref=2017-6278
2017年9月11日から22日にかけてブラジルで実施された査察の報告。
EU向けのブラジル産水産製品の生産環境がEU法で定められた要件を満たしていることが、管轄機関が実施する公的管理によって保証されているかどうかが評価された。また、前回(2012年)の査察で示された助言に対し、欧州委員会部会に提出された是正行為がどの程度実施されているかが検証された。
見込み通りに公的管理制度が実行に移されていれば、EUの衛生証明書に提示される要件の多くをブラジル産水産製品が満たしていると適切に保証できるところであるが、実際はそうではなかった。問題点の概要を以下に示す。
• 一次生産(漁船)は、公的管理制度の対象とされておらず、EUの要件の順守に関して管轄機関が根拠を有していない。
• 特定の冷凍漁船に関するEUの要件に関しては、ブラジルの法律とEU法とで重要視される側面が大きく異なっている。その主な理由は、冷凍漁船の活動が、EU法とは対照的に、一次生産とみなされているからである。
施設のリストアップと管理に関しては、制度が文書化されたとおりであればEUの要件を十分満たしている。しかし実際は、深刻な問題が露呈している。適格ではない施設がリストアップされており、また、査察した施設の多くにおいて、重大な順守事項違反を検出してそれに対処することが明らかにできていない。
2012年の査察のフォローアップという観点からは、多くの問題点に対して有効な是正行為が行われていることが認められた。しかし、これらの是正措置が役に立っていない場合も見受けられ、特に上述したようなことに関する重要な助言は全く対処されていなかった。
要約すると、公的管理体制の対象範囲とその実施面の両方で認められ、そのために管轄機関はEUの衛生証明に求められる事項の全てを保証できるようにはなっていない。
この報告書には、確認された問題点に対処するための助言が付されている。

2017-6049 - Import control system - Malta
14/06/2018
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_inspection_ref=2017-6049
2017年10月16日から20日にかけてマルタ共和国で行われた査察の報告。生きた動物と動物由来製品の公的輸入管理制度の評価、および2016年の査察で付された助言への取り組みについてのレビューが行われた。
所轄官庁、税関および事業者は、協調・協働して輸入・通過積送品の円滑な管理を実現している。
輸入積送品の文書検査、識別、物理的照合は、、欧州域内畜産貿易管理情報システム(TRACES)を適切に使用しながらEU法に準拠して実施されている。60日以内に返送もしくはさっ処分が必要な拒絶積送品についても、適切な対応が取られている。
しかし、共通獣医輸入証明(CVEDs)において軽微だが高頻度で間違いが見つかり、これらは所轄官庁で追跡されることも無く、特に修正方法の実施に関する指導の欠如と結びついており、輸入管理体制の正常な機能を損なわせている。所轄官庁はこのことに気付いているが、適切な措置は取られていない。
通過積送品の管理
通過積送品の管理は前回の査察以降、顕著に強化されている。国産の追跡システムINTERTRACEの機能が改善されており、TRACES、税関、自由港および事業者からの全ての情報を効果的に検証し処理することができる。事業者の法的要件に関する意識が向上しており、対策の強化と合わせて、2015年と比べ2017年には、文書検査に供された積層品の数は9倍になり、物理的照合に供された積送品の数は3倍になった。
この報告書には、確認された問題点への対処に関する助言が付されている。

  • 公的管理と食品事業者の自己診断および第三者認証体系との相乗効果に関する情報収集−ドイツ

2017-6072 - gather information concerning synergies of official controls with food business operators' own-checks and third party certification schemes - Germany
11/06/2018
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_inspection_ref=2017-6072
2017年11月28日から12月6日にドイツで実施された事実確認調査の報告。
管轄機関が事業者の自己診断や第三者認証制度の結果をどのように、またどの程度、動物由来食品および非動物由来食品の公的管理の体制構築にあたって考慮しているかについて、情報の収集が行われた。ドイツでは、民間セクターによる食品安全基準機構への加入率が高い。さらに、大規模な食品小売業者は、そうした民間の機構に加えて、自身が個別の社内食品安全基準を持っており、彼らのフードサプライチェーンに対応した第二者監査によって追加の検証が行われるようになっている。
このような機構に加入している食品事業者における公的管理は、円滑に進み、より効果的に実施されていた。公的管理の結果と、民間セクターによる結果を比較したところ、基準が守られていない事例数は同等であった。
だが、公的管理と民間機構との相乗効果は認められなかった。
ドイツの各地で現在食品事業者の分類のために取られている体制は、民間の食品安全基準機構による結果を、非直接的にしかリスク評価に考慮しておらず、その考慮もするかしないかは検査官次第であり、全体的なリスク評価への影響は非常に小さい。
検査官は概して、民間セクターが実施する管理が公平であるかどうか、また公的管理との相乗効果をもたらすかどうかについて懐疑的である。
ただし、今回訪問した2つの地域の官庁の代表者は、そのような相乗効果の可能性を模索する門戸を開いているように思われた。

  • 殺生物剤−ドイツ

2018-6357 - Biocides - Germany
07/06/2018
http://ec.europa.eu/food/audits-analysis/audit_reports/details.cfm?rep_inspection_ref=2018-6357
2018年1月17〜26日に実施された事実確認調査の報告。
殺生物性製品の市場流通や使用に関する事項を定めた規則(EU) No 528/2012(殺生物性製品規則)に基づく規制に関して、管轄機関による実施状況が調査された。
C管轄機関と評価機関が明確に定義されており、現行の業務量をこなすのに十分な人員が割かれていて、機関間の協調も非常に良好である。年次計画、多年次計画の策定体制があるため、将来的な業務量を予測でき、管轄機関に精錬された専用データベースが置かれており、製品の申請を追従したり、期限のある順守事項を管理したりできる。
殺生物性製品の認可に係るドイツの体制は全体として非常に効率的であり、目下のところ、ドイツ当局が直接管理する規則の順守期限は、事実上すべて守られている。欧州化学機関のワーキンググループに参加することを通して、欧州レベルのより統一の取れた規制実施に向けて、継続的に関与していく姿勢が顕著に認められた。ドイツの管理体制は、殺生物性製品の全ライフサイクル、および殺生物性製品で処理された物品の市場流通をカバーしている。
当局は、有効成分の評価期限を順守していくための処理能力について、特に2018年から有効成分の評価に内分泌撹乱性が加わるめ、懸念を持っている。当局は、数多くの課題を持っており、特に重要なのは激増する申請数である。これはすでに認可した製品の再評価が迫っているため、および申請者の細菌の傾向として、広い範囲かつ多分野にわたる殺生物性製品の認可を1つの殺生物製品群の申請で得ようとしているためである。