食品安全情報blog過去記事

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論文

  • 米国の子どもと青少年におけるダイエタリーサプリメントの使用頻度、2003-2014

Prevalence of Dietary Supplement Use in US Children and Adolescents, 2003-2014
Dima M. Qato et al.,
JAMA Pediatr. Published online June 18, 2018
https://jamanetwork.com/journals/jamapediatrics/fullarticle/2685282
NHANESデータから
2003-2004から2013-2014の間に、栄養製品(ビタミンやミネラル)の使用はほとんど変化がないが代替医療(ビタミンやミネラルではないハーブなど)が約2倍になった(3.7%; 95% CI, 2.8%-4.7% vs 6.7%; 95% CI, 4.8%-8.3%; P < .001)。主な理由はオメガ3脂肪酸メラトニンサプリメントの使用増加
2013-2014で最も多く使われていたのはマルチビタミンサプリメント(25.1%; 95% CI, 22.3%-28.1%)で次が免疫系(3.8%; 95% CI, 2.8%-5.2%)、次がオメガ3(2.3%; 95% CI, 1.4%-3.6%)、睡眠補助(1.1%; 95% CI, 0.6%-1.9%)。性差があって少女は鉄、カルシウム、マルチビタミン、単一ビタミン特にビタミンBをよく使い、少年はオメガ3とボディービルサプリメントが多い。
全体では33.2%の子どもや青少年がダイエタリーサプリメントを使用している

  • 大都市バンクーバーで販売されているシーフードの25%は誤表示されている

Twenty-five per cent of seafood sold in Metro Vancouver is mislabeled
19-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/uobc-tpc061818.php
バンクーバーの食料品店、レストラン、寿司バーのシーフードの1/4はあなたが思っているものではない。DNAバーコーディングを用いた研究で、2017年9月から2018年2月までにバンクーバーで集めた281検体中70検体が誤表示されていた。誤表示率が最も高かったのはレストランで29%、次が小売店で24%、寿司バーは22%。最も良く誤表示されていたのはスナッパーで34検体中31が誤表示だった。ティラピアのような安価な魚をスナッパーのような高価な魚に誤表示するのは経済的利益を目的にした意図的なものだと考えられるが、ピンクサーモンと紅ザケの誤表示は経済的動機の可能性は低い。先の報告に比べて状況は改善していないようだ。

  • 昆虫が減っている理由の一つは光害

Light pollution a reason for insect decline
19-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/fb-lpa061918.php
夜間人工照明が昆虫減少の理由のひとつである可能性
Annals of Applied Biologyに発表されたドイツからの報告

  • ビッグデータがあなたについて知っているという全てのことは間違っているかも

Everything big data claims to know about you could be wrong
18-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/uoc--ebd061818.php
ヒトの健康と行動を理解するためには、研究者は集団ではなく個人を調べた方がいいだろう
PNAS。

  • 平均生涯アルコール摂取ごとのがんと死亡リスク

Risks of cancer and mortality by average lifetime alcohol intake
19-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/p-roc061218.php
PLOS Medicineに発表された研究によると、死亡と多数のがんになるリスクは生涯平均で1日1杯以下の飲酒の少量飲酒者で最も低く、一週間あたり1杯増加するごとに一部のがんリスクが増加する。一方現在の米国ガイドラインでは男性は1日2杯以下、女性は1杯以下を薦めている。
(全く飲まない人が最もリスクが低いわけではないというJ字カーブが観察されたがリスクを下げるために飲む、のは薦めないと釘を刺している。「全く飲まない」理由が問題)

  • 食事法に従っている?科学者は血液検査でわかるかもしれない

Are you sticking to your diet? Scientists may be able to tell from a blood sample
19-Jun-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-06/jhub-ays061918.php
血中代謝物はDASH食の臨床試験で処置群と対照群の間に大きな違いがある
食事と健康に関する臨床試験は、参加者が割りあてられた食事法をあまり守らないことに悩まされ、その結果食事の影響を検出しにくいあるいは不可能である。今回American Journal of Clinical Nutritionに発表された研究は客観的な食事法への遵守の程度の指標になるかもしれない。DASH試験参加者329人の血中代謝物−脂質、アミノ酸、その他小分子を、先進的「目標を定めないメタボロミクス」アプローチを用いて解析し、DASHと対照群で有意に異なる97の代謝物を発見した。さらにDASH食と「野菜果物」群とで異なる67の代謝物を同定した。群を識別するには10代謝物のセットを比較することで十分だった。