食品安全情報blog過去記事

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  • 生涯飲酒と死亡率とがんリスクの関連についての専門家の反応

expert reaction to the association between lifetime drinking and mortality and cancer risk
June 19, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-the-association-between-lifetime-drinking-and-mortality-and-cancer-risk/
PLOS Medicineに発表された新しいコホート研究で生涯の飲酒と高齢者の死亡とがんリスクについて検討している
King’s College London精神病学心理学神経科学研究所客員研究員Tony Rao博士
この研究は十分な大きさで結果について意味のある解釈ができる。しかし知見に影響するだろう社会経済状態のような重要な情報が欠けていて将来の研究ではより緊密に調べる必要があるだろう。
重要なことはこの研究は生涯軽度飲酒が死亡を抑制する効果を示したものではないということである。死亡率が最も低かったのは1日0.5ユニット以下の飲酒者であることを考えると、高齢者の飲酒ガイドラインの引き下げを検討するさらなる根拠になるかもしれない。
Open大学応用統計学名誉教授Kevin McConway教授
これまでの研究の多くで飲酒と死亡率の間にはJ字型の関連がみつかっている。言い方を変えると、一定の期間内に死亡する可能性が少し飲酒する人より全く飲まない人の方が高い。研究毎に違う一定量を超えると死亡率は上がる。ではなぜこのような別の研究をするのか?問題の一つはそれらが観察研究であることである。全く飲まない人はほんの少しであっても飲む人とは平均すると文化や宗教、生まれ育ちなどが違う傾向がある。このことが関係するかもしれない。また健康上の理由で飲めなくなった人も含む。その点については過去の飲酒を尋ねることで調整することもあるがこの研究では18才以降の生涯における飲酒量を推定した。全体の死亡と心臓発作や脳卒中についてはJ字型だったががんについてはそうではなかった。こうした結果少しだけ明確になったがまだ課題は残る。参加者は55-74才の時に18-24才のころの飲酒について尋ねられているがどれだけ正確かわからない
(略)

  • 医療用大麻のレビューと娯楽用大麻の合法化要求への専門家の反応

expert reaction to review of medicinal cannabis and calls to legalise recreational cannabis
June 19, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-review-of-medicinal-cannabis-and-calls-to-legalise-recreational-cannabis/
政府が医療用大麻の状況をレビューすることに合意した
Exeter大学精神薬理学教授Celia Morgan教授
政府が大麻の状況をレビューすることに合意したのは歓迎する。大麻はschedule 1に分類されていて医療上のメリットはないことを意味する。ヘロインと同じSchedule 2なら臨床上必要な場合には処方できる。
我々の研究では娯楽用に販売されている大麻の多くが強い害の大きいものであることがわかっており、より安全にする規制を検討することを望む。
てんかん学会CEO Clare Pelham
政府の迅速な対応を歓迎するが二つの異なる問題が一緒にされていることを残念に思う。最も重要な問題はてんかんの子供たちの福祉である。違法な娯楽用の使用と並べるのは妥当ではない