食品安全情報blog過去記事

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その他

  • 視点:反GMO活動家は農業が「よりシンプルだった時代」に戻ることを熱望している。それが壊滅的である理由

Viewpoint: Anti-GMO activists crave a return to 'simpler times' in farming. Here's why that would be disastrous.
Mary Mangan | Genetic Literacy Project | July 3, 2018
https://geneticliteracyproject.org/2018/07/03/viewpoint-anti-gmo-activists-crave-a-return-to-simpler-times-in-farming-heres-why-that-would-be-disastrous/
私の主な専攻は生物科学だが、歴史も大好きだった。学生時代は生まれ育ったマサチューセッツLowellで国立公園のレンジャーもしていた。Lowellはアメリカの歴史の驚くべき移り変わり:工業化 を教える歴史的公園である。かつては静かな農地だったところが大きく変わった。最初の変化は女性だった。家事と姑の監視に飽き飽きしていた孤独な女性たちがハイテク縫製機器を使って働いた。教育を受け選択肢が拡がった。昔は良かった、企業がすべてをダメにしたという主張を聞くといつもこの時代の女性たちのことを思う。もし私が200年前に生まれていたら?
以下Mark Lynasの新しい本「Seeds of Science: Why we got it so wrong on GMOs.」を紹介しつつの長い記事

Mark Lynasの新しい本についてのポッドキャスト
Seeds of Science
June 30, 2018
http://www.talkingbiotechpodcast.com/140-seeds-of-science/
かつて反GMO活動家だったMark Lynasがどうして変わったのか

  • Wiltshireの二人がノビチョク神経剤中毒になったニュースへの専門家の反応

SMC UK
expert reaction to news that Wiltshire pair were poisoned by Novichok nerve agent
July 5, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-news-that-wiltshire-pair-were-poisoned-by-novichok-nerve-agent/
現時点で5人の専門家の意見(驚き、警察発表があるまでよくわからない等)

  • Science 06 July 2018 Vol 361, Issue 6397

の特集は隠された利益相反
FDAが新薬を承認した後に製薬企業が好意的意見を出したレビューメンバーに何らかの支払いをする、FDAの職員の多くが製薬会社に転職する、問題について
アメリカの失われた犬、は81ページから

Embattled head of US environment agency resigns
05 July 2018 Jeff Tollefson
https://www.nature.com/articles/d41586-018-05661-5
Scott Pruittは一連のスキャンダルの中で7月5日EPA長官を辞任した
Pruittはオクラホマの前司法長官で、何度もEPAの規制について法廷で異議を唱えてきて2017年2月にEPA長官になってから健康環境規制を縮小するために積極的に活動してきた。特に発電所や石油やガス開発、その他産業からの温室効果ガスの排出規制を減らすことを模索してきた。さらに科学研究の扱い方で科学者や環境団体からの反発を招いていた。
Donald Trump大統領はPruittの辞任を了解したとツイートしている。EPAはコメントを拒否した。

  • 飲料水質報告書−専門家のQ&A

SMC NZ
Drinking water quality report – Expert Q&A
Published: 05 July 2018
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2018/07/05/drinking-water-quality-report-expert-qa/
保健省の最新のニュージーランドの飲料水年次報告書によると19%の人々がすべての基準を満たしていない水に暴露されている。保健大臣は既存の飲料水安全性計画の改善と改革のスピードアップを発表した。SMCは専門家にコメントを求めた、
オタゴ大学公衆衛生教授Michael Baker教授
この統計から我々の水の安全性基準が許容できる水準にあると考える?
まずこの報告は水質のモニタリングが人口の約80%しかカバーしていないことを示す。残りの20%は監視されていない。それらは質が低い可能性が高く、許容できないと考える。
二つ目は監視されているもののうち約20%がすべての基準を満たしていない。このことは一部の集団は感染リスクが高いことを意味する。これが許容できるかどうかはその集団の判断になる。例えばある地域では水より道路の安全のほうが大事だと判断するだろう。そのような決定には良い情報が必要でこの報告はそれに役立つだろう。
何故細菌基準が最も重要なのか?
公衆衛生にとって水の効果的処理は最も重要であることを歴史が示している
飲料水安全基準を厳しくすべき?
基準そのものは適切だと思われる。問題は基準が守られていないこと。
塩素処理で利益があるロビー団体がこの議論に関わることに懸念は?
ロビー団体は多くの問題に意見をする。それは利益相版を明確にする限り妥当であろう
一般的コメント
この報告はニュージーランドの水質にとって役にたつまとめである
ESRリスクと反応と社会システムグループ科学リーダーChris Nokes博士
この統計から我々の水の安全性基準が許容できる水準にあると考える?
基準を満たさないことは必ずしも水が安全でないことを意味しない。細菌基準には二つの要素がある。ひとつは水質に関するもの、ひとつはサンプリングに関するもの。指標微生物の存在はその水が最近糞便と接触したことを示すが病原体がいることを示すわけではない。可能性があるので適切に対処する必要がある。
そして一部の水は安全でない許容できないリスクがあることを示している。これらは資金不足のシステムだろう。
何故細菌基準が最も重要なのか?
ニュージーランドでの水が原因の疾患アウトブレイクの事例はこの文書の表1.3に記載してある。その主なものが細菌である
塩素処理で利益があるロビー団体がこの議論に関わることに懸念は?
科学的根拠に基づいた主張をしているなら特に問題はない。塩素処理の利益は安全な水を得られる利益を伴う
(水道水の塩素処理に反対する人たちがいて事故をおこしていることのほうがむしろ驚きなのだが自治体の体力が無くなっていて水道が維持できなくなりつつある日本も他人事ではない)