Safety and efficacy of vitamin B12 (in the form of cyanocobalamin) produced by Ensifer spp. as a feed additive for all animal species based on a dossier submitted by VITAC EEIG First published in the EFSA Journal: 18 July 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5336
この文書では、Ensifer adhaerens SCM 2034株ないしはCICC 11008s株、またはEnsifer fredii CMCC (B) 70000株を用いた発酵により産生されるシアノコバラミンの安全性と有効性を扱う。E. adhaerens CICC 11008s株とE. fredii CMCC (B) 70000株については、適切な同定と特徴付けができるデーターが申請者から提示されなかったため、FEEDAPパネルはそれらが産生するビタミンB12の安全性(対象動物、消費者、使用者および環境)に関し、結論を導出できなかった。E. adhaerens SCM 2034株については、抗菌剤耐性遺伝子の存在、製品における生産菌株の生きた細胞やDNAの有無など、菌株の同定および安全性に関し、大きな不確実性があり、FEEDAPパネルは同菌株が産生するビタミンB12の安全性(対象動物、消費者および環境)について結論を導出できなかった。E. adhaerens SCM 2034株はまた、内毒素含量が多く、予備混合物の取り扱いで吸入暴露が起きやすく、また皮膚や眼に刺激性があることが報告されていることから、使用者にリスクを生じると判断された。これらの3菌株が産生するビタミンB12は、動物の栄養要求性に適合し、有効であるとみなされる。
- 汚染化学物質への食事を介した暴露量の推定において、検討対象候補のデータセットの検出限界に対しカットオフ値を適用して対象を絞ることについて
Use of cut-off values on the limits of quantification reported in datasets used to estimate dietary exposure to chemical contaminants First published in EFSA Supporting Publications: 20 July 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1452
EFSAが科学的資料作成を行う中で食事を介した暴露量を評価する場合に使用するデータ、すなわち食品や飼料中の汚染化学物質の分析データは、多数の左打ち切りデータ、つまり定量限界や検出限界に届かないデータが含まれていることが多いそうした場合、EFSAでは、いわゆる代入法を用いて、それらのデータを評価に組み入れようとする。しかし、左打ち切りデータの存在は、検出限界や定量限界の分布範囲の広さとともに、食事を介した暴露量の推定で生じる不確実性の重要な発生源となる場合が多い。この技術報告書では、データセットの打ち切り限界値に対して最適なカットオフ値を選択するための以下の段階的アプローチについて記載する。1) 法的要件に基づく、2) 典型的な拡張不確実性水準に基づく、ないしは3) 定量値の分布と定量限界の報告値に基づく。この手法は、左打ち切りデータが食事を介した暴露量の推定で生じる不確実性に対して及ぼす影響を最小限にすることを目的としている。
- 動物性加工タンパク質により生じるBSEリスクの量的評価に関する最新情報
Updated quantitative risk assessment (QRA) of the BSE risk posed by processed animal protein (PAP) First published in the EFSA Journal: 17 July 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5314
EFSAに委託された3つの事案についての検討結果報告。
事案1: 飼料中の反芻獣由来成分の検出に関し、「飼料原料中の動物性タンパク質を調べるEUリファレンスラボ」(EURL-AP)から、‘technical zero’という技法が提示されている。この技法は、定量的リアルタイムポリメラーゼ連鎖反応(qPCR)法に基づくが、合法的に加えられた牛由来物質と無許可混入物とが判別できない、何らかの反芻獣由来物質が検出されてもBSE感染との関連性を確定することはできない、現行の技術より検出感度を上げることはできないと判断された。
事案2: BSEの推定発生件数に関し、最新のモデルを用いて算出を行った。2011年の推算に比べて飼料からのBSE感染性は4分の1になっており、年間のBSE新規発生件数は1件を下回ると予想される。
事案3: 反芻獣由来成分についてqPCRで飼料を検査した場合の結果を予測した。検体の反芻獣由来成分による汚染率が5%に増加した場合(現在は農家、飼料、国境検体でそれぞれ0.5、0.65、1.9%)、qPCRの判定点(技術的検出限界)を300 DNAコピーとすると、汚染が有りながら検出陽性とならない飼料の割合は4倍(0.0037%→0.014%)となると試算された。
- EFSAに通知され、意図的に食品や飼料に添加される生物剤で、QPSを適用して評価することが推奨される生物剤のリストの更新第8回: 2018年3月までにEFSAに通知された分類単位にQPSを推奨することの適切性
Update of the list of QPS-recommended biological agents intentionally added to food or feed as notified to EFSA 8: suitability of taxonomic units notified to EFSA until March 2018 First published in the EFSA Journal: 17 July 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/5315
安全性適格性推定(Qualified presumption of safety: QPS)は、EFSAの各科学パネルが実施する生物剤の安全性リスク評価を支援するために、統一のとれた汎用的な予備評価手順を提供する目的で開発されたものである。妥当性のあるやり方で分類された各菌および各菌群(分類単位)に関して、特性、根幹を成す知見、安全性の懸念、および薬剤耐性の評価が行われている。ある分類単位において特定された安全性の懸念は、数的に可能性や合理性が示される場合、「適格性(qualifications)」に反映される。この適格性は、EFSAの各科学パネによって菌株ごとに評価される。2017年9月から2018年3月の審査期間には、以前にQPSが推奨された分類単位、およびそれらの適格性に変更をもたらすような新たな情報は入手されなかった。BIOHAZパネルは、「生産目的だけに限る」という適格性は、生産菌株の生きた細胞が最終製品に存在しないことを意味し、微生物バイオマス法で生産された食品や飼料にも当てはめることができることを確認した。今回の審査期間には、市販認可申請されている微生物製剤のうち、46件がQPS推奨の判断を求めてEFSAに通知されている。これらのうち28件の生物剤は既にQPS推奨の判断(QPSステータスの付与)が行われた状態であり、15件はQPSステータスの付与から除外された。それらの除外例は、QPS推奨に関する以前の審査例に基づくもの(10件は糸状菌、1件はバクテリオファージ)、今回の審査において更なる評価が必要なもの(放線菌に関するもの2件、および大腸菌に関するもの1件)、および植物保護製品(PPP)のリスク評価に必要な補強データが求められているもの(シュードモナス属菌1件)である。また3件の分類単位について評価あるいは再評価が行われた。Paracoccus carotinifaciensとPaenibacillus lentusは、それぞれ2008年と2014年に評価されているが、今回再評価される。Yarrowia lipolyticaは今回初めて評価を受ける。P. carotinifaciensとP. lentusは、科学的知見が不足しており、QPSステータスを付与できない。Y. lipolyticaにはQPSが推奨されるが、その場合の用途は生産目的に限定される。