食品安全情報blog過去記事

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SMC

  • 肉を食べることの健康と環境への影響−専門家の反応

SMC NZ
Health, environment impacts of meat consumption – Expert reaction
Published: 20 July 2018
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2018/07/20/health-environment-impacts-of-meat-consumption-expert-reaction/
Scienceに発表されたレビューが肉の多い食事の帰結について検討し、将来の世界の肉消費の変化が健康と環境の両方に大きく影響するだろうという。著者らは健康と環境への影響の間で、世界での人口増加と肉の消費量増加に並行して、どうすれば人々に肉の消費量を減らすことを納得させられるかについてもっと知る必要があると主張する。
SMCは専門家のコメントを求めた
オタゴ大学上級研究フェローCristina Cleghorn博士
加工肉と赤肉の摂取量を減らすことは健康の損失を減らしニュージーランドの医療費を減らすだろう。肉を食べずに栄養を摂ることは可能で全体としては健康に良い影響があるだろう。世界がん研究基金は週に赤肉を500g以内にするよう薦め、世界疾病負担プロジェクトでは週に100g以上食べないように提案している。
ニュージーランドの経済は肉の生産に投資しているため肉摂取量を減らすことは進まないだろう。畜産主体の農業から植物由来の肉代用品生産へのシフトの機会だろう
Massey大学応用数学教授持続可能な未来センターRobert McLachlan教授
これは多方面にわたる包括的レビューである。
健康面では加工肉や赤肉を食べることの大腸がんリスクの増加が主な結論である。
環境面では主な問題は窒素とリンの粒油津、水の使用、水質、温室効果ガス排出である。
肉と乳製品が農業由来の温室効果ガスの主な排出源である。しかしニュージーランドではメタンが主な要因である。
残念ながらこのレビューでは肉の消費に影響できるツールは限られていて影響が不明であると結論している。しかし不可能ではない。ニュージーランドではたった10年で赤肉の摂取量が58%も減って豊かな国と同程度になった
WellingtonのVictoria大学心理学部Taciano L. Milfont准教授
このScienceの論文は最新の根拠のレビューで、肉摂取の集団の健康や環境への影響を定量化するのは簡単ではないことを明らかにした。しかし根拠は世界の肉消費がヒトの健康や環境に悪影響であることを示している。
この論文では個人の消費の好みを変えることができる介入について集中して取り上げているが、このアプローチは責任を市民に押しつけて政府の責任を免除している。行動変容は政府の肉業界への介入と並行して行われるべきである
WellingtonのVictoria大学政治学部上級研究者Mike Joy博士
Beef + Lamb New Zealand社栄養部長Fiona Greig
著者らは赤肉が良い栄養源であり、肉の少ない食事は代用品がないと健康への負の影響がある可能性に言及している。ニュージーランドでは牛と羊は必須栄養素の効果的で持続可能な摂取源である。多くの根拠が脂肪の少ない赤肉を適量食べることは健康的な食生活の一部になりうることを支持している。ニュージーランド保健省の食生活と運動ガイドラインでは週に500gの調理した赤肉を含むよう薦めている。単一の食品についてではなく、食生活のパターン全体を協調することがテーマである
オタゴ大学PhD候補Garrett Lentz
WellingtonのVictoria大学地学環境地球科学部Dave Frame教授
オタゴ大学ヒト栄養学部Sheila Skeaff准教授
Massey大学持続可能なエネルギー教授Ralph Sims教授
Beef + Lamb New Zealand社環境戦略部長Julia Beijeman
(いろいろ略。NZは関心高い)

  • 硝酸を使った肉製品の摂取と躁病エピソードについての研究への専門家の反応

SMC UK
expert reaction to study on consumption of nitrated meat products and manic episodes
July 18, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-study-on-consumption-of-nitrated-meat-products-and-manic-episodes/
Molecular Psychiatryに発表されたあたらしい研究が硝酸を使った肉製品の摂取と躁病エピソードについて調べた
King’s College London精神科心理学神経科学研究所(IoPPN)精神薬理学と情動障害教授で精神科相談医Anthony Cleare教授
この分野の新しい知見は歓迎するが、これは非常に初期の仕事である。患者や一般向けに何かを推奨する前にもっとしっかりした根拠が必要である

  • 英国におけるHPV予防接種計画を青少年の男の子に拡大するかどうかについてのJCVI()政府の予防接種に関する合同委員会)声明への専門家の反応

expert reaction to JCVI statement on whether to extend the HPV vaccination programme to adolescent boys in the UK
July 19, 2018
http://www.sciencemediacentre.org/expert-reaction-to-jcvi-statement-on-whether-to-extend-the-hpv-vaccination-programme-to-adolescent-boys-in-the-uk/
(専門家の反応各種略。今やHPVは男の子にも推奨するのが標準になりつつある)