食品安全情報blog過去記事

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その他

  • Limboro への医療苦情

ニューサウスウェールズ民事行政裁判所−職業部門
Health Care Complaints Commission v Limboro [2018] NSWCATOD 117 (30 July 2018)
http://www.austlii.edu.au/cgi-bin/viewdoc/au/cases/nsw/NSWCATOD/2018/117.html
「がん治療のためのカイロ」と宣伝していたことによりカイロプラクターとしての登録取り消し

コンシューマーラボ
L-Tryptophan and 5-Hydroxytryptophan (5-HTP) Supplements
7/27/18
https://www.consumerlab.com/reviews/L-tryptophan_5-HTP/tryptophan/
(EMSと関連があると言いながら売られ続けている)

  • 中国の田んぼは「株出し栽培」によって収量が2倍になった

IAEA
Rice Fields in China Double Yields by “Ratooning”
01 Aug 2018
https://www.iaea.org/newscenter/news/rice-fields-in-china-double-yields-by-ratooning
収穫した株に再び生えてくるものはこれまで最初の収穫よりずっと少ない量しかとれなかったが、核技術を用いて二回目の収穫を最初の収穫と同じくらいにまで増やすことができた。
施肥の最適化のための窒素の安定同位体を使ったことと品種改良のための突然変異誘発

  • ロシアは選挙に干渉するより遥かに悪いことをする−我々の科学に干渉している

Russia Does Far Worse Than Meddle In Our Elections — It Meddles In Our Science
HENRY I. MILLER
6/26/2018
https://www.investors.com/politics/commentary/russia-meddles-science/

Russia Does Far Worse Than Meddle In Our Elections — It Meddles In Our Science: Part II
https://www.investors.com/politics/commentary/russia-meddling-in-science-part-ii/
もとFDAのHENRY I. MILLERによる2部からなるコメント。
フェイクニュース、意図的な誤情報、個人攻撃等による遺伝子組換え技術への反対運動について

  • 欧州の、植物交配からの退場:規制の失敗

Europe’s Plant Breeding Exit: A Regulatory Failure
Posted by RiskMonger on July 27, 2018
https://risk-monger.com/2018/07/27/europes-plant-breeding-exit-a-regulatory-failure/
2018年7月25日、欧州司法裁判所は近年の突然変異誘発技術を用いて交配した植物は、息の詰まるような2001GMO規制に従わなければならないと判断した。この規制によりEUでは革新的種子交配の認可の可能性はほとんどゼロになるだろう。
この判断には多くのレベルでの失敗がある
・科学と科学に基づいた決定の失敗
・欧州の法システムが、より大きな狂信者の活動に不当に利用されていることを認識することに失敗
・健康的で安全で入手可能な食品のために技術開発がますます重要になっている農家や消費者にとっての失敗
・地元の問題を解決するために必要な技術が規制をコピペすることで阻害されるだろう途上国の研究者にとっての失敗
・そして最も重要なのは欧州委員会の失敗
まず最初に突然変異誘発とは何か、から考える必要がある。
(以下見出しのみ)
突然変異誘発とは何?
グリホサートの亡霊
科学に基づかない決定
放射線照射による突然変異誘発を「長く安全な使用歴がある“long safety record”」とか、おきれるしかない)
欧州委員会はどこに?

'Frankenstein wine' warning over French super-grapes
By Henry Samuel
5 August 2018
https://www.smh.com.au/world/europe/frankenstein-wine-warning-over-french-super-grapes-20180805-p4zvm8.html
フランスの科学者がうどん粉病に耐性のある画期的スーパーブドウ品種を開発し、これでほとんど農薬を使わなくて済むという。しかし純粋主義者たちがこの世界中のブドウの遺伝子を混ぜあわせた、実験室で作った創造物は「フランケンシュタインワイン」だという。
(遺伝子組換えではなくて、別の大陸のものを組み合わせたことが「人工的でナチュラルではない」のでフランケンシュタインだという主張。反GM運動が「成功」し、「反対活動」で生きるモデルができているのでいずれこうなる。品種改良小麦も既に不自然だと主張されて悪者扱いされている。)

Does Monsanto’s Roundup cause cancer? Trial highlights the difficulty of proving a link
August 3, 2018
https://theconversation.com/does-monsantos-roundup-cause-cancer-trial-highlights-the-difficulty-of-proving-a-link-100875
現在サンフランシスコの上位裁判所で問題になっているのはラウンドアップ非ホジキンリンパ腫の原因か?である。同様の数百の訴訟が全国で手続きが進んでいる。裁判の多くが2015年のIARCの決定を拠り所にしているがこの報告は多くの批判を受けている。もしもヒトのがんの原因を決めるのが単純なことなら、科学者は実験をして我々は答えを得られているだろう。しかしそんなに単純ではない。
(以下長い記事略)