食品安全情報blog過去記事

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複数の国にまたがる食品安全/公衆衛生関連事件への防備に関するEFSAとECDCの2018合同ワークショップ

Joint EFSA and ECDC 2018 workshop on preparedness for a multi-national food safety/public health incident
First published in EFSA Supporting Publications: 21August 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/supporting/pub/en-1480
2018年5月、EFSAとECDC(欧州疾病予防管理センター)は、複数の国にまたがる食品安全/公衆衛生関連事件への防備に関するワークショップを合同で進行した。このワークショップはウィーンのAGES(オーストリア保健・食品安全局)で開かれ、将来のリスク評価の難題に備えるというEFSAの戦略2020の任務と密接に協調するように立案された。FSA、ECDC、AGESおよびBfRは緊密に連携してワークショップを立ち上げ、2日半にわたるトレーニングの関連資料を作成した。このワークショップには、オーストリアチェコ共和国ハンガリーポーランドスロバキア共和国およびスロベニアに加えDG-SANTE、EFSA、ECDCおよびBfRから、公衆衛生、食品安全およびコミュニケーションの分野にわたって51名の代表者が参加した。初日は7つの企業がそれぞれ様々な話題についてプレゼンテーションを行った。2日目は机上において、複数の国にまたがって食品安全や公衆衛生上の問題起きたといういシナリオ、すなわち架空のリステリア症のアウトブレークに焦点を当てて、シミュレーション演習が行われた。3日目はシミュレーション演習に関するフィードバックが纏められ、今後複数の国にまたがって食品安全や公衆衛生に関連した事件が生じた際に、EU加盟国、EFSAおよびECDCの対応について告知するために、ガイダンスとなる文書の作成を行うことについて議論が交わされた。大まかに以下のような目的を持って取り組みが行われた。i)食品安全や公衆衛生に携わる仲間のネットワークを促進し、EUや欧州経済圏にまたがって、また加盟国内で協働をさらに強化すること。ii)複数の国にまたがる事件に対する緊急リスクコミュニケーションと対応のギャップを、制圧に向けて管理が行われている状況下において特定する。iii)関連する情報収集・分析ツールに対する理解と有効活用をさらに高める。これらの目的は、記録に残された成果と参加者からのフィードバックの評価に基づき、達成されたと言える。さらに、ワークショップの際の議論から、3つの実践的な助言が生まれた。それらの助言は、緊急の対応が為され、複数の国でアウトブレークが生じているときに、分野にまたがった協働をより効率的に強化するためのものである。