食品安全情報blog過去記事

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電子タバコ用e-リキッドを子供向け食品に似せたラベルや広告で販売していた会社がFDAとFTCの警告に従い、販売を中止した

Companies cease sales of e-liquids with labeling or advertising that resembled kid-friendly foods following FDA, FTC warnings
August 23, 2018
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm618169.htm
電子タバコで使われるニコチン含有e-リキッドを子供向け食品に似せたラベルや広告で販売し、5月にFDAから警告を受けていた全17社の製造業者、卸業者および小売業者がそれらの製品の販売を中止した。こうした製品は、紙パックジュース、キャンディー、クッキーなどに似せられいるものが確認され、不誠実で誤解を招くものとして警告を受けた。これらの警告文は、多くがFTC (米国連邦取引委員会)と提携して発せられたものであるが、若年者をニコチンやタバコ製品の危険から保護するために実施している努力の一環である。警告文書を受けた会社のいくつかは、若年者に違法に製品を販売していたことも指摘されている。
FDAのScott Gottlieb長官は以下のように述べている。「これらの製品を市場から排除することは、我々の子供の保護に向けての重要なステップである。我々は皆、どの子供もがどのようなタバコ製品にもニコチン含有製品にも手を付けないようにすることに賛同するはずで、そうした製品を販売する会社は、製品が若年者を惹きつけないようにすることに責任がある。会社が子供が以前購入したものと同じと誤解するような、紙パックジュースやキャンディなどのイメージを使ってこれらの製品を販売する場合、 安全で見覚えがある何かの製品と子供が混同する可能性があり、子供に対して差し迫った有害リスクを生じる可能性がある。我々は現在依存症である成人喫煙者のために電子タバコのような害が少ないと考えられ新規の製品の開発を奨励しているが、我々は業界に対し、それらの製品が子供に向けて市場に置かれたり、売られたり、子供が使用したりすることの無いよう責任を持つように取り組んでいる。FDAは今後も若年者をタバコから保護する計画(Youth Tobacco Prevention Plan)に基づいて、全てのタバコ製品、特に電子タバコについて、若年者が近づけないようにし、若年者への魅力を掻き立てないようにし、それらへの有害な暴露を低減するために、力強い活動を続けていく。我々は、さらに、堅牢な強制力を今後の数ヵ月にわたって発動できるものと期待している。その標的は、こうした製品を子供の手に渡そうとしていると考えられる組織である。
5月に警告文書を発した後、FDAは当該企業が適切な是正措置をとっているかを確認する業務を行い、完了を認める文書を発行する。FDAは、タバコ製品のラベルや広告について、法律違反の可能性を監視し続け、適切な措置を取り続けていく。
今回の警告文書の発行は、2017年後半に始められたタバコ製品における食品製品に似せたラベルや広告、特に子供向け市場を狙い子供を誘惑するようなものに対する調査に端を発している。当該製品は、不正商標表示をしているとみなされ、連邦食品医薬品化粧品法に違反して販売されていると判断された。それらの製品のラベルや広告は、子供向け食品を模倣し、誤解を招くものであったためである。FTCはFDA共同で、不正で人を欺く広告を禁じた法律に基づき、13件の警告文書を発行した。
FTCのJoe Simons委員長は以下のように述べている。「これらの会社が危険でごまかしの戦略で子供をタバコ製品に引き込もうとするのを中止したのは、時期的に適切で、肯定的で適切な措置である。FTCのメッセージは直接的で揺るぎのないものである。すなわち、FTCは眼を光らせ、子供をリスクに晒す詐欺的行為には即座に行動を取るというものである。
米国中毒データシステムの最新の分析によれば、電子タバコのような電子的ニコチン送達装置(ENDS)の人気が高まり続けるのに合わせ、6歳未満の子供がe-リキッドや他の液体ニコチンに暴露され、中毒管理センターへの電話回数や救急医療室での受診回数が増加している。小さな子供がe-リキッドに暴露されたりそれを摂取したりすると重大な危険が生じることがあり、発作、昏睡、呼吸停止、心臓停止から死に至ることもある。
さらに、2百万人を超える中高生が2106年現在電子タバコやENDSを使用しており、その大きな理由の1つは香りに惹きつけられるというものであった。FDAは若齢児や10代の子供に懸念を持っており、それは若年者がニコチンに暴露されると脳の発達に有害影響があり、将来的にニコチン依存症になりやすくなるように神経回路が再構築される可能性があるからである。ニコチン含有製品の若者における使用を阻止することが優先順位の高い中心事項でとなっており、FDAのYouth Tobacco Prevention Planの背景にある行動規範ともなっているのは、このためである。例えば4月には、FDAは全国的な緊急取締りを実店舗およびネット販売業者に対して行い、JUULブランド製品を未成年者に販売していた業者に警告文書を発行した。 FDAはJUUL Labs社や他の企業にも書簡を送り、こららの製品が若年者を惹きつけ、利用率が高い理由をより良く理解するために、重要文書の提出を求めた。FDAはタバコ製品の未成年者への販売を削減するための強制措置的活動も続けている。
昨年の夏の終わり頃、FDAは「ニコチンおよびタバコの規制に関する包括的計画を発表し、その一環として、タバコ製品の毒性や誘因性および依存性を低くする明確かつ有意義な方策を、若年者に強く焦点を当てて模索している。これには若者を惹きつける香味やデザインに対する方策、子供が開けられない包装の適用、子供の偶発的な液体ニコチン暴露を防ぐ表記などが含まれる。さらにFDAは、3月に規則制定に関する先行公示を発して、タバコ製品における香味が若者を惹きつけるうえで果たす役割についてパブリックコメントを募集した。また、FDAはこうした製品へ若者が近づいて暴露されるのをさらに減らすため、ENDSの販売や販促に追加の制限を設けることも計画している。The FDA has also expanded “The Real Cost” public education campaign with messages focused on preventing youth use of e-cigarettes and will launch a full-scale campaign in September. それからFDAは、「本当のコスト」についての国民教育キャンペーンを、若年者の電子タバコ使用阻止を目的としたメッセージを加えて拡張し、この9月から本格的な規模で実施する予定である。