食品安全情報blog過去記事

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その他

Herbalife distributors claim events were a sham
By Curt Anderson Associated Press August 21, 2018
https://www.bostonglobe.com/business/2018/08/21/herbalife-distributors-claim-events-were-sham/kBCaR20q6QgguLVYaadikN/story.html
ハーバライフディストリビューターハーバライフを相手に集団訴訟をする可能性というニュース。10万人以上になる可能性。ハーバライフの言うとおりに「成功者のサークル」に参加してあらゆるものを購入しなんでもやったが儲かるどころか10万ドル以上の損害を被った等の訴え

ハーバライフは10億ドルの集団訴訟の可能性に調停による解決を探る
Herbalife Seeks to Arbitrate Potential $1 Billion Class Action
August 21, 2018 ALEX
https://www.courthousenews.com/herbalife-seeks-to-arbitrate-potential-1-billion-class-action/
一方ハーバライフは裁判所以外での解決を探る
(健康食品を商材にしているマルチの人たちって金儲けのためのセールストークで普通の生活では病気になるだのといった嘘を言うんだよ。彼らのプロモーションは情報汚染、公害なんだけど)

  • オープンアクセス雑誌の編集者が、質の良くない論文を出版するよう圧力をかけられたとして辞任

Scienceニュース
Open-access journal editors resign after alleged pressure to publish mediocre papers
By Jop de VriezeSep. 4, 2018 ,
http://www.sciencemag.org/news/2018/09/open-access-editors-resign-after-alleged-pressure-publish-mediocre-papers
先月オープンアクセス雑誌Nutrientsの10人のシニア編集者全員が、出版社であるMultidisciplinary Digital Publishing Institute (MDPI)から質や重要性で劣る論文を受理するよう圧力をかけられたとして辞めた。
このような騒動は多くの商業オープンアクセス出版社では良くあることで、著者が出版費用を払うので(Nutrientsの場合約1800ドル)出版社はできるだけ多くの論文を出版したい。一方科学者は評判の良い雑誌を選んで出すことを好み編集委員は質を維持したい
MDPIは1996年に総説されたスイスバーゼルの出版社で213のオープンアクセス雑誌をもちそのうち27にはインパクトファクターが賦与されている。2014年にJeffrey Beallの搾取的出版社のリストに掲載されたが企業の抗議で削除され今はDirectory of Open Access Journalsに載っている。
辞任した編集長Jon BuckleyはNutrientsの評判をあげようと努力しインパクトファクターは2011年の1以下から2017年の4.2に増加しMDPIの最も有名な雑誌の一つになった。論文数も増加し2017年だけで1300である。しかしBuckleyによると質の低い論文の投稿も増え、却下率が55%程度から60-70%になった。MDPIの社長がこれに反対した。

  • 過激なオープンアクセス計画は雑誌の購読の終わりを告げる可能性

Natureニュース
Radical open-access plan could spell end to journal subscriptions
04 September 2018
https://www.nature.com/articles/d41586-018-06178-7
欧州の11の研究資金提供団体が、全ての学術成果を出版後直ちに無料で読めるようにする「S計画」を発表
(出版社の反対にあうだろうと他人事のように書いているけどNatureが反対だろうに)

Natureニュース
Google unveils search engine for open data
05 September 2018
https://www.nature.com/articles/d41586-018-06201-x
Google Dataset Search

NZ SMC
1080 use in NZ – Expert Q&A
Published: 05 September 2018
https://www.sciencemediacentre.co.nz/2018/09/05/1080-use-in-nz-expert-qa/
ここ数週間害獣管理のための1080の使用と安全性についての議論が再燃している
NZでポッサムとラットをコントロールするのに使われている1080は、一部の人たちによるいわれのない非難の的であるが、科学者は最良の道具だと言う
オタゴ大学薬理学毒性学部Belinda Cridge博士
1080について人々が懸念し続けていることは何?
非標的動物への害と水の汚染である。良く言われるのは鳥や魚、鹿や豚の死亡であるが、どのくらいが1080によるのかについて議論がある。
1080は全ての動物種に毒性がある(毒性学者として、実際全てのものは十分な量暴露されれば毒性があるので1080が特異なわけではない)。しかしながら鳥や爬虫類は幾分か耐性があるようだ。一方ほ乳類には非常に毒性が高いので、アシカとコウモリを除く全てのほ乳類が移入されたものであるNZにとっては非常に重要なツールである。
もうひとつの懸念は水系に流出してヒトや野生生物に影響するのではないかということである。科学的には1080は速やかに分解され長く残存することはない
近年研究により新しくわかったことはあるか?
最近の研究のほとんどは1080代用品の開発にあてられていて1080の研究は進んでいない。1080を大規模に使っているのはNZのみで、それはNZに固有のほ乳類がほとんどいないという特徴のためである。従って我々のみが1080を害獣管理に使っている。世界中の科学雑誌に発表された1080についての論文は2014年からたった400報で、つまり約100報/年である
さらなる研究で解明されるだろう不確実な分野はあるか?
私自身の関心は1080の体内での解毒について知りたい、それが犬とケアオウムの感受性の高さを理解する鍵になるかもしれないので
オークランド大学保全生物学者James Russell准教授
1080はNZの害獣管理に主要な役割を果たしてきたか、他の選択肢は?
生物多様性のための害獣管理には生態系から害獣を排除する必要がある。伝統的には3つの方法があり、わな、毒素、生物コントロールである。致死的なものと非致死的なものがある。科学者はこれらをより精細に使うように研究している。遺伝子編集は殺さず絶滅を導く人道的で最も可能性のあるツールであるが住人の受容が必要である
新しいツールが利用できるまでどのくらいかかるか?
科学者やエンジニアは常に改良を試みている。完全に新規のものは相当な投資と規制認可が必要になるだろう。遺伝子編集はたとえ有効性が示されても10年以上はかかるだろう。それまで我々の野生生物は待てないので1080の散布は続くだろう
オタゴ大学生殖とゲノミクスの農業研究部長Neil Gemmell教授
将来の害獣管理にどんな遺伝的ツールが役立つか?それが使える時期は?
現状は1080がベストだが我々は常により良いものを探している。現在最も良く研究されているのは種特異的毒素だが何年もかかるだろう。「2050年までに捕食者のいない国に」目標を真剣に考え遺伝子工学をツールにしたいと思うなら、対話を加速しなければならない
(NZにとっては人間が最大の外来侵入種。1080は他のどんな農薬よりヒトへの毒性は高い。GM反対とか言ってる場合じゃないんだけどオーガニック信仰も強い)

  • クラトム茶で10代が脳傷害、と母親の訴訟が訴える

Kratom tea left teen with brain damage, mom's lawsuit claims
By Alexandria Hein | Fox News
http://www.foxnews.com/health/2018/09/05/kratom-tea-left-teen-with-brain-damage-moms-lawsuit-claims.html
19才の娘が3月に精神発作を患ったのはクラトムのせいだとフロリダの母親が訴えている

  • 福島核災害:日本が最初の放射線による労働者の死亡を確認

Fukushima nuclear disaster: Japan confirms first worker death from radiation
5 September 2018
https://www.bbc.co.uk/news/world-asia-45423575
(海外ニュース、ほとんどが労災認定を放射線が原因で肺がんになったと認めた、と報道をしている。「厚生労働省」の名前がいけないのかもしれないが。国内でも労災認定と健康被害の因果関係の認定の違いを明確に報道していないし。原因が明確に証明できなくても補償されたほうがいいのに、その制度を壊す気?)

  • インドはハーバードの教授がココナツオイルを「純粋に毒」と呼んだことについて取り下げをもとめる

India looking for statement retraction after Harvard professor calls coconut oil ‘pure poison’
By Joanna SlaterThe Washington Post
Wed., Sept. 5, 2018
https://www.thestar.com/news/world/2018/09/05/india-looking-for-statement-retraction-after-harvard-professor-calls-coconut-oil-pure-poison.html
ハーバード大学のKarin Michelsがこの夏ドイツ語で栄養について講義をしたとき、それがこんな国際問題になるなんて予想しなかっただろう。しかし彼女がココナツオイルを「純粋に毒」「食べられるものの中で最悪のものの一つ」と呼んだため、インドが抗議することを決めた。
Michelsのコメントはココナツオイルが日常的な食事の一部であるインドの、特に南部(ケララ州は「ココナツの木の国」という意味)から、怒りと不信の反応を引き起こした。インドの園芸部長B.N. Srinivasa Murthyは先週Harvard T.H. Chan School of Public Healthの学部長宛の文書でMichelsのコメントは「根拠が無く配慮に欠ける」と書いた。そして訂正と取り下げをもとめた。インタビューによるとMurthyはMichelsの講義を、先月バンコクで行われた18ヶ国の代表が集まるアジア太平洋ココナツ集会で知った
インドとMichelsのいざこざはより大きなココナツオイルを巡る争いの一部である。
2011年からココナツオイルは「スーパーフード」として流行し、根拠のないあらゆる健康効果を宣伝された。しかしココナツオイルには飽和脂肪が多い。昨年米国心臓協会はあまり摂らないように助言した
ケララの農業大臣は「我々の生きた経験からココナツオイルは毒ではない。ココナツなしにはケララは生活できない」という。
(少々気の毒ではあるが、強い主張には強い根拠が必要。「わかりやすく大げさに言う」、とこうなるんだな)