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BPAについての最新情報: 作業部会は新しく行われた試験のレビューを始める

BPA update: working group to start reviewing new studies
4 September 2018
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/180904
科学専門家から成るEFSAの新しい作業部会が、食品接触物質のビスフェノールA (BPA)に関する最近の毒性データの評価を今月から開始する。
食品接触物質、酵素、香料および加工助剤に関するEFSAのパネル(CEPパネル)は、その際、食品中のBPAの有害性を再評価し、2015年から行われたEFSAの以前の完全リスク評価で暫定的に定められた安全量を検証する。この新しい評価は、2020年までに概要が示されることになっている。
EFSAは、BPAを食品接触材料に使用される化学物質として何回か評価してきた。2015年には、EFSAの専門家は、米国のBPAの毒性に関する学問的および規制上の見識に関連するコンソーシアム(CLARITY-BPAプロジェクト)によって新規に実施された試験の結果が入手可能になったのを受けて、この化学物質の毒性の再評価に取り組んだ。
EFSAの食品成分と包装に関する部署の責任者であるClaudia Roncancio Peña博士は次のように述べている。「我々がBPAに関する新しい作業部会の専門家に選出されたことが発表され、喜ばしく思っている。選出された専門家の任務は、EFSAの前回のBPA評価における情報収集打ち切り期限であった2012年以降に公表されたデータをレビューすることである。彼らは、この任務において、BPAの有害性評価のための科学的なプロトコルの支援を受ける。このプロトコルは、2017年にEFSAと国際的な専門家グループが完成させ、その後公的なワークショップにおいて検討されたものである。」
このプロトコルは、詳細な計画書であり、予め対象範囲、方法論、および評価を始める前に必要な情報を透明性をもって定義している。
利害関係者のフィードバックへの対応について
Claudia Roncancio Peña博士は次のように述べている。「最初のステップとして、専門家たちは、BPAの毒性に関する証拠を審査するためのEFSAの新しい方法論を試用し、前回の評価の後に出された重要で代表的な試験を選び出し、その結果を公表する。このことが、我々がこのプロトコルについてのパブリックコメント募集期間に受け取ったフィードバックへの直接的な対応となる。」
BPAに関する最近および今後の行程表
● 2015年: EFSAがBPAについての科学的意見を発表、暫定的な耐容一日摂取量を4 µg/kg体重とした
● 2017年: 次回のBPA評価に用いる科学的プロトコルに関するパブリックコメント募集およびワークショップ開設、結果の公表
● 2018年9月: CEPパネルの作業部会が任務に取り掛かる
● 2018年10月: データ提供の呼び掛け終了
● 2018〜2019年: 2013年以前の重要な試験に対してプロトコルを試用した結果の報告
● 2018〜2020年: BPAの毒性の再評価、BPAの有害性についての新たな評価
データの提出はまだ受け付けている
EFSAは、BPAの有害性評価のためのデータ募集を開始しており、締め切りは2018年10月15日である。2012年12月31日以降に公表されたBPAに関連する全ての新規試験およびデータをEFSAに亭主することができ、それらはBPAの安全性についての今後のレビューに組み入れられる可能性がある。
文献の選別、関連試験から抽出されるデータの採用と不採用は、やはり上述の科学的プロトコルに則って行われる。
国際的な側面
作業部会は、米国で実施されたCLARITY-BPAプログラムの結果の評価を行う。CLARITY-BPAの中心的な試験は2018年2月に公表されており、低用量のBPAによって生じる可能性がある健康への影響に関してCLARITY-BPAが行った学術試験の結果は2018年10月に公表が見込まれている。
Claudia Roncancio Peña博士は次のように述べている。「CLARITY-BPAプログラムに関わった専門家は、EFSAがこの9月に開く”科学、食品、社会”カンファレンスに参加し、その研究プログラム全体について発表を行ってくれる。これは我々がBPAに関する任務を行うにあたり、間違いなく有益である。
EFSAはまた、定期的に欧州化学物質庁(ECHA)と接触を持っている。ECHAがREACH(Registration, Evaluation, Authorization and Restriction of Chemicals)法に基づいてBPAの同定と分類に関して行う任務は、EFSAの評価と二人三脚で続けられている。
You can find links to the working group’s terms of reference and the experts’ CVs and declarations of interest below: 作業部会に委任された権限および専門家の履歴、および利害関係の宣誓書は、以下のリンクから参照できる。
BPAの有害性評価にあたるCEPパネルの作業部会
http://www.efsa.europa.eu/en/food-ingredients-and-packaging/working-groups
ビスフェノールA (BPA)の有害性評価プロトコル
http://www.efsa.europa.eu/en/press/news/171214