食品安全情報blog過去記事

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論文

  • プロバイオティクスの内部調査

An inside look at probiotics
6-Sep-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-09/wios-ail090618.php
毎日、何百万人もの人々が、生きた細菌を含む製品を免疫系を強くしたり病気を予防したり抗生物質の有害影響から回復したりする目的で使用している。プロバイオティクスの有益性は医学的に証明されていないにもかかわらず。さらにプロバイオティクス細菌が本当に消化管に住み着くかどうかすら明確ではなく、仮に住み着いたとしてもそれがヒトや微生物叢にどんな影響を与えるかもわからない。Cellに連続して報告された2つの論文で、Weizmann科学研究所の研究者らがマウスとヒトで、最も良く使用されている11のプロバイオティクス系統の製品は使用者や彼らのマイクロバイオームにとってしばしば有用とは言えないだろうことを示した。
一つ目の研究はボランティアに胃カメラと結腸内視鏡で消化管の異なる場所でのベースライン微生物を調べ、プロバイオティクスを3-4週間与えて再び調べた。その結果腸に住み着くかどうかはヒトにより大きく異なることを発見した。これは一般向けにプロバイオティクスを幅広く与えるべきではないことを意味する。
もう一つの研究では、広域抗生物質投与後の変化を調べた。抗生物質の後では正常な場合よりプロバイオティクス菌の定着は簡単だったが、驚いたことにプロバイオティクスが住み着くと宿主の抗生物質投与前の正常な状態に回復するのを何ヶ月も阻害した。一方自分の糞便を移植すると数日で正常化した。このことはプロバイオティクスの有害影響の可能性を示す

  • 公衆衛生研究者らがヒゲナミンhigenamineを含むダイエタリーサプリメントに警告

Public health researchers warn of dietary supplements containing higenamine
6-Sep-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-09/ni-phr090618.php
ヒゲナミンを含む減量及びスポーツ/エネルギーサプリメントについての新しい研究が、この有害な可能性のある心血管系興奮剤の表示されている用量が予想できず不正確であることを発見 Clinical Toxicology
WADAがヒゲナミンを禁止薬物リストに入れて2年もたたないうちに国際公衆衛生研究チームが米国で販売されているサプリメントの表示の不正確さと有害な量について記したピアレビューのある研究を発表した。この知見に基づき、研究者らは消費者に対してヒゲナミンを含むと表示されているサプリメントの摂取には注意するよう警告
ヒゲナミンあるいはその同義語"ノルコクラウリンnorcoclaurine" または "デメチルコクラウリンdemethylcoclaurine"を含むと表示されている24製品を調べた。一回量あたり痕跡程度から62mgまでばらばらで、24製品中ヒゲナミン含量の表示があったのはたった5製品であるがそのどれもが不正確だった。表示されている指示通りに使うと、消費者は最大1日110mgのヒゲナミンを摂取する。ヒゲナミンの健康リスクは研究が乏しいがベータ2アゴニストであるためWADAが禁止している。
ダイエタリーサプリメントは米国で毎年23000件の救急につながっていると推定されていてその多くが減量用とスポーツサプリメントである。ヒゲナミンは植物に天然に含まれ、植物成分である場合には合法である
図に製品名とメーカー(実名)とヒゲナミン含量
(天然物であっても検出されたらドーピング違反)

  • 喫煙は認知症リスクの高さと関連

Smoking linked to higher dementia risk
6-Sep-2018
https://www.eurekalert.org/pub_releases/2018-09/w-slt090418.php
Annals of Clinical and Translational Neurology analysisに発表された韓国男性の研究