食品安全情報blog過去記事

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純粋なメープルシロップやハチミツの栄養成分表示に添加糖の情報を収載するための最新の方策に関するFDA長官の声明

Statement from FDA Commissioner Scott Gottlieb, M.D., on an updated approach for including added sugar information on the Nutrition Facts labels of pure maple syrup and honey
September 6, 2018
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm619596.htm
栄養成分表示を視覚的(画像的)なものに−20年経って初めての全面的な見直しの中で−していくことは、FDA長官としての責務の重要な一部である。
この新しい型のラベルは多くの製品で既に見受けられるようになっている。この最新型のラベルは、消費者に正確で科学に基づいた情報を与え、消費者がさらに情報に通じ健康的な選択を行うのに役立つ。栄養成分表示の更新の一環として、FDAは栄養科学に関して入手した最新の情報を活用し、糖尿病、肥満、心臓病などの慢性疾患の負担の低減に役立てようとしてきた。
これらの目標に向かって、栄養成分表示を改正する最終規則は、「添加糖」の記載についても定めている。旧来のラベルでは、糖分について、果物や野菜などの天然に存在するものと米国民のための食事ガイドラインで添加糖と定義されるものとに分けることなく、総量を表示していた。添加糖に属するものは何かを示しているこれらのガイドラインは、米国の栄養政策の展開を示すものであり、添加糖を砂糖だけでなく、ハチミツやメープルシロップなどを含めた多カロリー甘味料と定義している。
添加糖は健康的な食事構成の一部となり得るが、2015〜2020年版米国民のための食事ガイドラインでは、カロリー制限を保ちながら栄養要求を満たすには、1日の総カロリー量の10%を超えて添加糖が摂取されないようにしないと難しいことが示されている。健康的な食事構成は、一つには甘味の付けられた食品や飲料の摂取が少ないことを特徴としており、心血管系疾患のリスクの低減に関連しているという強固で一貫した証拠が存在する。
FDAは、消費者の食品中の添加糖の量への意識を高め、最近の食事ガイドラインによる推奨事項に沿ってもらうことを目標としてきた。栄養成分表示の改正はこのための努力の重要な部分である。新たなラベルでは、添加糖に関する新たな1日量が記載され、消費者は添加糖の入った食品が健康的な食事構成にどれほど適合し得るかをより良く理解することができる。
新しい栄養成分ラベルに表示される添加糖は加工食品に加えられる甘味料も含まれているが、袋入りの砂糖、瓶入りのハチミツ、器入りのメープルシロップなどの「そのものが包装された」食品も含まれる。FDAは、「そのものが包装された」製品についての新しい表示での情報が、ややもすると消費者に、瓶入りのハチミツやメープルシロップなどの純粋な製品が実際には砂糖やコーンシロップなどを含んでいるのではないかと考えさせてしまう可能性があることを認識している。それはこれらの純粋な製品にも、ラベル上に「添加糖」の表記があるためである。
そのため2018年2月にFDAは業界向けガイダンス案を作成し、パブリックコメント募集にかけた。このガイダンス案は、メープルシロップやハチミツなど純粋で1成分から成る「そのものが包装された」製品のラベルにおける添加糖の表記を明確化するのに役立つであろう。このガイダンス案は、栄養線分表示の改正が消費者に確かに役立つものにするためにFDAが取るべき方法についての最初の意見である。ガイダンス案の中では、製造業者に対し、純粋なメープルシロップやハチミツについては、添加糖の一日摂取量比率に関する情報の直後にオベリスク記号「†」を使用することを助言している。このようにすれば、消費者を、その特定の製品では「添加糖」が本当はどのような意味を持つのかについての情報を提供する文言に導くことができるであろう。他のガイダンス案の場合でもそうだが、FDAパブリックコメント受付係に提出された意見や、我々に情報を与える利害関係者との会合や交流で得られたフィードバックを注意深く考慮し、最終ガイダンスの発行へと至る。今回の場合、ガイダンス案に対し3,000件を超える意見が提示され、我々が提案した手法をさらに改良する余地があることが示された。これらの有りがたいフィードバックは、懸念事項により適切に対処し、求められる透明性を消費者に提示できる解決法を見つけるのに役立っている。
FDAは現在、最終的なガイダンスを起草しており、来年初頭に、大規模企業が新たな栄養成分表示を遵守することが求められる2020年1月の期限に十分余裕を持って、発行できるものと見込んでいる。このガイダンスは、純粋な、1成分から成る「そのものが包装された」製品が栄養成分ラベル上で標準的な「添加糖」と混同されないようにする道筋を提供するものである。FDAは、純粋なハチミツやメープルシロップなどの製品についても、一日摂取量比率の表記に変更を加えることは考えていない。FDAは、変更しないことが、製品が利潤追求のために不良化されていると受け取られるのではないかという生産者の懸念と、それらの製品が消費者の添加糖一日摂取量にどれだけ加担しているかの告知とに関し、バランスよく対処することになると考えている。
FDAは改善を加えた手法に則って任務を続けていくが、新たな手法は、栄養成分表示を成功に導くための要件を明確にするものであり、かつ消費者が新たな表示を用いられるよう支援し、より情報に通じた健康的な食事の選択を行えるようにするものであると考えられる。FDAは、栄養戦略に関する緊密な対話と開かれたパブリックコメント募集を通じて、栄養の分野での任務を推し進める道を見つけることに専心し、回避可能な疾患の負荷を低減することによって全ての米国国民の生活を改善していく。