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スタチンは糖尿病でない75歳以上の人には役立たない可能性がある

Behind the headlines
Statins 'may not help over-75s without diabetes'
Thursday September 6 2018
https://www.nhs.uk/news/older-people/statins-may-not-help-over-75s-without-diabetes/
「『念のため』にスタチンを飲んでいる何百万もの人は、時間を無駄にし何の効果も得ていない」とMail Onlineは報じていない。
スタチンは体内のコレステロール値を低くするのに役立つという医薬品の一群である。スタチンは例えば、心発作や脳卒中のような循環器疾患(CVD)のリスクが高いと思われる人にとって薦められる。
高齢の人はCVDのリスクがより高いという理由で、たとえ他の点では健康であっても、リスクを減らすためにスタチンを処方されるかもしれない。
研究者は、スペインのデータベースからの情報を使用し、46,864人の75歳以上の人の転帰を調べた。それらのうち7,502人が初めてスタチンを処方されている。
糖尿病の人は心発作、脳卒中あるいは死亡のリスクが減ったが、糖尿病でない人はなんの効果もないと思われることが判明した。
この研究のやり方では、確定的結論を導きだすのは難しいということが示唆されている。
スタチンを与えられなかった人の方がより健康的であり、薬の効果を隠してスタチンを与えられた人より、循環器疾患のリスクが低かった可能性がある。
言い換えれば、スタチンを飲んだ人は、薬を飲まなかったとしても、心疾患や脳卒中のリスクが高まる可能性があったということだ。
現在の英国の助言では、今後10年内に循環器疾患発症するリスクが10%の人にスタチンは与えられるべきであると言っている。これは75歳以上のほとんどの人を含むだろう。
治療の判断はリスクと効果のバランスをとって、個々の患者に基づいて為されなければならない。医者と相談せずに処方された薬の服用をやめることは推奨されない。