食品安全情報blog過去記事

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FDA、子供に電子タバコの危険を警告する新たな包括的キャンペンを開始する: 子供の電子タバコ使用率が急激に上昇しているのを受け、若年者のタバコ使用防止計画(Youth Tobacco Prevention Plan)の一環として

FDA launches new, comprehensive campaign to warn kids about the dangers of e-cigarette use as part of agency’s Youth Tobacco Prevention Plan, amid evidence of sharply rising use among kids
September 18, 2018
https://www.fda.gov/NewsEvents/Newsroom/PressAnnouncements/ucm620788.htm
FDAは、本日付けで「実際の損失」若年者のタバコ使用防止キャンペーンを開始した。ターゲットは電子タバコを使用していたり試そうとしている12〜17歳の若年者1千70万人である。また、それらの世代に人気のあるインターネットサイト(ソーシャルメディアを含む)での広告を強く叩き、米国獣の高校に電子タバコ禁止のメッセージを載せたポスターを掲示する。ポスターは高校の更衣室などの少なくとも1万ヵ所に掲示され、生徒や教育者向けのキャンペーン資材も学校に分配される。
子供たちは、電子タバコを使用することに関して「何も損失は無い」というメンタリティーを有している。電子タバコを使用する子供は、燃焼型タバコにも手を出しやすく、このことが米国での喫煙率を下げるためにFDAが為し得てきた公衆衛生上の大きな業績を台無しにしてしまう。ある調査では、子供たちの約80%は日常的に電子タバコを使用しても大きな有害リスクは無いと考えていることが示されている。
電子タバコを使用することによる実際の損失を知ろう」というキャッチフレーズで、このキャンペーンは、電子タバコが普通のタバコと同じように若年者に依存や他の健康被害のリスクを生じることを教示することを目的としている。強調されることは、ニコチンは特にまだ発達中の若者の脳の回路を作り替え、よりニコチンを欲しがるようにさせてしまうということである。さらに、電子タバコは、不可逆的な肺損傷を引き起こし得るアクロレイン、がんを引き起こし得るホルムアルデヒド、およびクロム、鉛ならびにニッケルのような毒性金属粒子を含んでいる。
電子タバコの風味は、子供を特に惹きつける成分の1つであると考えられる。FDAは先週、子供たちに売られている主要5銘柄(JUUL、Vuse、MarkTen、blu e-cigs、Logic)の製造業者に対し、蔓延している若者における使用にどう対処するのかを60日以内に文書で提出するよう要請した。返答や対策が示されない場合は、市場に残っている製品をFDAの流通許可がないものとすることも考えられる。FDAは、電子タバコ製品の、若者にアピールする風味やデザインとなっていないか、子供にとって安全な包装になっているか、子供が偶発的に液体ニコチンに暴露されないようなラベルが付されているかを検査する。
FDAは、「実際の損失」喫煙防止キャンペーンを2014年2月に、「きれいな帝国」多文化喫煙防止キャンペーンを2015年10月に、そして「実際の損失」無煙たばこ使用禁止キャンペーンを2016年4月に立ち上げている。電子タバコ使用防止キャンペーンは2017年10月に「実際の損失」に組み入れられている。「実際の損失」若者の電子タバコ使用防止キャンペーンには約6千万米ドルが投じられ、これらの費用は納税者の税金からではなく、たばこ業界からの回収金で賄われている。