The truth about organic food
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2004-08/rtsu-tta081604.php
フィラデルフィアでの第228回American Chemical Society (ACS) National Meetingにおいて、「有機食品は通常食品より健康的か」"Is organic food healthier than conventional food?"と題したシンポジウムが企画される。
このシンポジウムのオーガナイザーであるラトガーズ大学の食品科学者Joseph D.Rosen博士は「多くのアメリカ人は有機食品が通常食品より健康的だと信じているが、科学的証拠は必ずしもその信仰を支持しない。消費者は健康や環境によかれと思って有機食品を買っているがそれは目的とは違うお金の無駄になっている。コンシューマーレポートのような消費者にとって権威のある情報源が間違った方向に誘導している。」と言う。
シンポジウムの演題は
・ 農薬のリスクは真実か想像か？
・ 食品照射は健康リスクがあるか？
・ 遺伝子組換え食品は危険か？
・ 有機食品はより栄養豊富か？
・ 放し飼いのニワトリは安全か？
・ 有機農法は本当に環境によいか？
・ メディアは有機食品問題をどのように描くか？
学会のサイト
Is Organic Food Healthier Than Conventional Food?
午前の部
http://oasys2.confex.com/acs/228nm/techprogram/S14433.HTM
午後の部
http://oasys2.confex.com/acs/228nm/techprogram/S15653.HTM
農薬や食品添加物のリスクと天然に含まれる有害物質のリスクの比較や規制などの科学的問題から、メディアや消費者団体の流す情報の内容についての検討、GMO反対キャンペーンを行っている団体が有機農産物販売団体でもあるという社会的・政治的問題まで幅広く取り上げている。
上記サイトからリンクされている各発表者のアブストラクトの一部を引用すると、
http://oasys2.confex.com/acs/228nm/techprogram/P787610.HTM
Is the media covering organic food issues fairly?
Alex Avery, Center for Global Food Issues
メデイアは有機農法に対しては同情的・共感的に、通常農法に関しては批判的に報道する。
有機農業が健康リスクが小さく環境にいいというふうに。そしてカビ毒の問題のような有機食品の方がリスクが高いというケースは報道しない。こうした偏りの結果Natureのような科学雑誌ですら公平な判断ができない状況になっている。
http://oasys2.confex.com/acs/228nm/techprogram/P788344.HTM
Does “Consumer Reports” publish accurate information on organic food issues?
Joseph D. Rosen, Department of Food Science,
コンシューマーリポートの情報は科学的ではなく、人々に間違った選択をさせるものである。
http://oasys2.confex.com/acs/228nm/techprogram/P788640.HTM
Are free-range chickens microbiologically safer?
J. Stan Bailey, USDA, Agricultural Research Service
いわゆる平飼いのニワトリの方がサルモネラ汚染率は高い。
FSISの最近のＨＡＣＣＰ調査では約11%がサルモネラ陽性であったが、平飼いニワトリ業者のサンプルは24.5%がサルモネラ陽性だった。
但し業者やロットによりサルモネラ汚染率は大きく異なり、消費者はそのニワトリが平飼いだからという理由で安全だと考えてはいけない。
例えばこういうニュースもマスコミで報道されることはなく、「環境ホルモン学会」みたいなマイナー学会の発表は取り上げる、というわけです。ACSは伝統もあるし規模も大きい学会です。
でも日本の化学会などがこういうシンポジウムを企画するかというと、どうでしょう？
そういう「良心的な」企画はお金にならないですから。大学が、ベンチャーと称してほとんど詐欺に近い商品を売って儲けることをいい事だと評価する時代です。
オーガニックがらみでNature Newsより
