食品安全情報blog過去記事

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慢性疾患患者のネットによる相互コミュニケーション(IHCA)

Interactive Health Communication Applications for people with chronic disease (Cochrane Review)
Murray E, Burns J, See Tai S, Lai R, Nazareth I
http://www.cochrane.org//cochrane/revabstr/AB004274.htm
(Full paperは10ポンドで買える)
コンピュータを用いて、主にウェブ上で患者に情報や社会的サポートを提供するシステムであるInteractive Health Communication Applications (IHCAs)の、慢性疾患患者への影響を評価した。IHCAは比較的新しい技術なので情報源は1990年以降である。
24,757件の引用を調査し958件の文献を取りよせて調べたところ合計4042人の患者を含む28件無作為化対照試験(RCT)がみつかった。RCTの結果をプールしてランダム効果モデルによるメタ解析を行った。その結果IHCAは知識と社会的サポートについては良い結果をもたらし、自己有効感(自己評価)や行動変化には何の影響もなく、臨床症状については悪い結果をもたらした。
IHCAの範囲や数は増加しているが質の高い評価に耐えうるデータは少ない。知識や同じような病気を抱えている消費者の社会的サポートを求めるにはIHCAは有用かもしれない。しかし病気を良くしたいと思う人には現時点ではIHCAは薦められない。
適切に行えばIHCAが行動変化や臨床的改善をもたらしうるのか、それには何が必要なのかについてさらなる研究が必要である。


(ウェブを使う消費者の健康には知識は有害かもしれない
Knowledge may be hazardous to web consumers' health
17-Oct-2004
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2004-10/ucl-kmb101404.php
先日紹介したこの記事の元になった論文。ネットが悪いわけではないと思いたいのだけれど、医療情報・健康情報に関しては確かにまともな情報よりまともでない情報の方が多いし魅力的だし・・。食事制限をしなさいという冷酷な真実より「これを食べれば食事制限なんてしなくていい」という詐欺商品(健康食品とも言う)に嘘の体験談付き、のほうが魅力的でしょうね。)


EurekAlertより