食品安全情報blog過去記事

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ビタミン不足ミルクを与えられた乳児は未だに神経学的に障害が残る

BMJ 2004;329:1128 (13 November),
Babies fed defective formula are still being treated for neurological damage
http://bmj.bmjjournals.com/cgi/content/extract/329/7475/1128-c
昨年チアミン欠乏のドイツ製豆乳ミルクでイスラエルの乳児2人が脳症で死亡した。一年後、9人には未だ重い神経学的障害が残る。何人かは痛みを感じず泣きもしない。一部回復した子どももいるが障害は不可逆的に見える。
乳児が二人死亡した後、数ヶ月間このメーカーのミルクだけで育てられた乳児は合計で35人いて直ちに緊急チアミン注射を受けた。そのうち10人は症状はない。
このミルクを製造していたHumana社は不注意を認め、4人の従業員を解雇し、補償を行うことに合意している。Humana社は大豆には天然に充分なチアミンが含まれると信じて合成チアミンを添加するのを止めたと言っている。
イスラエルではこうした事故が注目されて母乳を与える母親が増加している。イスラエル政府は豆乳ベースのミルクより牛乳ベースのミルクを推奨している。牛乳アレルギーの子どもは2-3%しかいないのにその5-6倍の新生児が間違った情報や思いこみにより豆乳ベースのミルクを与えられている。特に超正統派ユダヤ教徒ultra-Orthodox Jewishで牛乳や肉を避けるため豆乳を与えることが多い。



英国健康省 Department of Healthによる公衆衛生白書