食品安全情報blog過去記事

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コチニール色素について

日本名 コチニール色素 Cochineal Extract
Carminic Acid 又はC.I. Natural Red 4

WHO FOOD ADDITIVES SERIES 46:COCHINEAL EXTRACT, CARMINE, AND CARMINIC ACID
http://www.inchem.org/documents/jecfa/jecmono/v46je03.htm
コチニール抽出物は雌のDactylopius coccus乾燥物由来で、そのまま若しくはカルミンに加工されて食品に用いられる。カルミンコチニール抽出物の両方に規格があり、どちらも着色成分としてはカルミン酸を含む。JECFAはコチニール抽出物については第18回及び24回会合で評価を行ったが、ADIは設定しなかった(Annex 1, references 35 and 44)。カルミンについては第21回、25回、26回会合で評価し、ADI 0− 5 mg/kg bwを設定した。


そこでJECFAにカルミンコチニール抽出物の二つの規格があることについて、ですが

まずカルミンの方は
CARMINES
http://apps3.fao.org/jecfa/additive_specs/docs/8/additive-0801.htm
カルミン酸50%以上
カルミンカルミン酸の水和アルミニウムキレート

コチニール抽出物は
COCHINEAL EXTRACT
http://apps3.fao.org/jecfa/additive_specs/docs/8/additive-0803.htm
カルミン酸2.0%以上

というわけでどちらも色素成分としてはカルミン酸を含むものですが、含有量や形態が違うわけです。食品には両方使うことがあるようです。
毒性試験はカルミンについては各種行われていて、その結果を元にADIを設定しているわけです。コチニール抽出物はおよそ98%が色素以外のものなわけで、これでは毒性試験ができません(何の影響を見ているのかわからなくなる)。なので「コチニール抽出物」についてのADIは設定できないのでしょう。
天然添加物にしては毒性データはある方です。天然物ですから色素以外に何が入っているかは全てわかっているわけではありません。原料由来のたんぱく質は当然あるわけで、それがアレルギーの懸念材料になっているわけです。由来のはっきりしたものだけ使って欲しいのであれば合成色素がいいでしょう。


ついでに
プロピレングリコール
Propylene Glycol
データベースはこちら
http://fcsi.nihs.go.jp/dsifc/servlet/SearchApp?key=1232&appkind=foodaddsearch&searchkind=detail_page&searchcondition=id
指定添加物 チューインガム軟化剤、品質保持剤
ADI 0 - 25 mg/kg 体重/日



ラウリル硫酸ナトリウムは界面活性剤
食品添加物としては指定されていないため食品に使われているとしたら違法。
この「プロピレングリコールとラウリル硫酸ナトリウム」のセットはシャンプーとか洗剤のような生活用品関係でよくやり玉に挙がっているもの。洗剤を魚に与えたら死んでしまったとかいう「証拠」が良く引用されています。