食品安全情報blog過去記事

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毒素がヒトの味覚進化を促した

Toxins drove evolution of human taste sense, global study reveals
25-Jul-2005
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2005-07/dumc-tde072105.php
食品中に含まれる植物の毒素が、それらを検出するためのヒトの苦味受容体の進化を促したことを示唆する研究がCurrent Biologyの2005年7月26日号に発表された。
この研究では世界中の60の民族の苦味受容体TAS2R16をコードする遺伝子の配列を調査した。遺伝子の解析から進化による選択が起こった証拠が見つかった。苦味受容体のある変種が数千年前アフリカから初期のヒトが拡大する前に急に増加している。選択された変種の一つはシアン産生毒素のような特定の毒素への感受性の高いものである。
一般的にヒトの味覚は他の霊長類やほ乳類より感受性が低い。ヒトは毒素の除去に加工手段を用いるため、動物より感覚に頼らないとされている。しかしこの研究では危険を察知するのに味覚が非常に重要だった時期があることを示している。
ヒトの苦味受容体をコードする遺伝子は25ある。