食品安全情報blog過去記事

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食品中のマラカイトグリーンについて

ttp://www.fehd.gov.hk/safefood/report/malachite_green/malachite_green_rib.html

(直リンしません)

最近発がん性のある可能性のある化学物質マラカイトグリーン(MG)がウナギ・ウナギ加工品・淡水魚中に検出され懸念が拡がっている。この解説はこの物質のリスクについて説明したものである。


マラカイトグリーン
MGは絹やウール、綿、紙などを着色するために使われる合成色素である。1930年代初期から世界中で水産養殖に使われており、有効な抗真菌剤とみなされていた。魚の寄生虫や真菌・原虫感染治療用にも使われてきた。魚をMG処理すると代謝されて主にロイコマラカイトグリーン(LMG)となり、長期間残留する。


公衆衛生上の問題
IARCやJECFAはMGの安全性は評価していない。MGが実験動物で肝毒性、貧血、甲状腺異常、胎仔発生に影響するという報告がある。またMGはマウスの肝腫瘍を誘発するとの報告もあるがヒトでの発がん性の証拠はない。遺伝子傷害性については矛盾する結果がある。実験動物での発がん性のため、MGを食用魚に使うのは適切ではない。水産養殖で大量に広範囲に使われると消費者のMG暴露が増加して有害事象が起こるかもしれない。しかしながら現在検出されているMGレベルで消費者に有害事象が起こる可能性は低い。動物実験の結果から推定すると淡水魚では毎日290kg、ウナギは7kg食べると有害事象がおこるかもしれない。


規制
Codexは食品中MG基準値は設定していない
米国・EU・カナダ・日本・タイ・シンガポール・中国は食用動物へのMGの使用を許可していない。
香港では食品中へのMG存在を禁止した。違反者は罰金5万ドルと6ヶ月の禁固刑に処される。


通商上の助言
MGは食用魚には使ってはならない。魚は信頼できる輸入・販売業者から購入すること。疑わしい魚は買わないこと。疑わしい場合にはMGを含まないという証明書を要求すること。


消費者への助言
MGを含む淡水魚やウナギを食べても健康へのリスクは小さい。魚は信頼できるところから購入すること。違法販売者からは購入しない。多様な食品を含むバランスの取れた食事をすること。



EU
食品中汚染物質規制情報更新
Food Contaminants Legislation