食品安全情報blog過去記事

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魚の摂取と水銀に関する政府の助言はむしろ悪影響

Study finds government advisories on fish consumption & mercury may do more harm than good
19-Oct-2005
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2005-10/hsop-sfg101705.php
American Journal of Preventive Medicineの11月号(Volume 29, Issue 4 2005)にシリーズとして5報発表された研究。
妊娠可能な女性に対する水銀暴露に関する政府の警告は注意深く行われるべきである。もしそうした助言が一般人の魚の摂取を減らしてしまうと、魚から得られる利益が失われてしまう。
魚は水銀の主な暴露源であるが、オメガ3脂肪酸の摂取源でもある。ハーバードプロジェクトでは、妊娠女性の水銀暴露を下げるメリットがオメガ3脂肪酸摂取の削減による損失を上回るかどうかを評価した。さらに一般人が政府の意図したとおりに助言に従わなかった場合に何が起こるかについても評価した。
その結果、妊娠女性が魚を水銀量の多いものから少ないものに代えるだけで魚の摂取量が減らない場合、新生児のIQに0.1ポイントの認知機能発達のメリットが得られるが、魚を食べる量を1/6に減らした場合栄養的利益は80%削減される。もし成人が魚の摂取を1/6に減らすと冠動脈疾患などのリスクが増加し、65-74才の男性では毎年1万人に1人死亡率が増加する。