食品安全情報blog過去記事

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成長ホルモンの適用外アンチエイジング目的での使用は不法であると警告

Growth hormone illegal for off-label anti-aging use, study warns
25-Oct-2005
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2005-10/uoia-ghi101905.php
Journal of the American Medical Associationの10月26日号に発表された報告。
人成長ホルモン(HGH)は青少年や子どもの成長を促進する下垂体ホルモンで、子どもの低身長の原因となるHGH欠乏症候群・大人の下垂体腫瘍によるHGH欠乏・HIV/AIDSに伴う筋消耗性疾患の3種の珍しい病気の際にのみ合法的に処方される。FDAによればこれ以外の目的での使用は違法である。
しかし多くのウェブサイトやアンチエイジング市場ではHGHが加齢をストップさせ若返りを促すなどとうたっており、非常に良く使われている。数十万人の患者が気付かずに不法投与を受けている。HGH投与により加齢がストップしたり若返ったりするという根拠はない。逆に加齢を促進したり寿命を縮める可能性が示されている。さらに長期投与では発ガンリスクが高くなる。
2004年のHGH販売額はウェブサイトを通したものを除いて6億2200万ドル(約21万3000処方)で、これは多くの部分が不法使用であることを示す。
Provision or Distribution of Growth Hormone for "Antiaging"
Thomas T. Perls et al. JAMA. 2005;294:2086-2090.