食品安全情報blog過去記事

はてなダイアリーにあった食品安全情報blogを移行したものです

葉酸報告書案が発表された

Folate draft report published
Wednesday, 23 November 2005
http://www.food.gov.uk/news/newsarchive/2005/nov/folatedraftreport
栄養に関する科学助言委員会Scientific Advisory Committee on Nutrition(SACN)
から、葉酸摂取を増やすことに関するリスクとベネフィットを調査した報告書案が発表された。
SACNは科学的根拠についてのパブリックコメントを募集し、最終報告書を2006年春に提出する予定である。
葉酸は特に緑色葉物野菜に含まれるビタミンB葉酸塩の合成型で、FSAは妊娠中又は妊娠予定のある女性に毎日400 microgの葉酸サプリメントの摂取を薦めている。これは胎児の二分脊椎のような神経管欠損症リスクを削減するためである。妊娠女性には葉酸サプリメントと同時に緑色野菜や玄米、強化朝食用シリアルなどの葉酸を含む食品を食べるよう助言する。
小麦粉に葉酸を添加することも英国における神経管欠損の数を減らすだろう。しかし全ての小麦粉に葉酸を添加するとビタミンB12欠乏の初期症状を見分けるのが困難になる。英国ではビタミンB12欠乏は65才以上の高齢者に比較的よく見られる。これは加齢に伴いビタミンB12の吸収が困難になるためである。ビタミンB12欠乏は不可逆的神経傷害をもたらす。
SCANが最終報告書を提出したあと、FSAは英国の小麦粉に葉酸を添加すべきかどうかを考慮する前に一般の意見を求める。
FSAは2002年5月に検討を行い、高齢者への影響についてのさらなる根拠が必要であるとの結論に達している。
報告書案は以下から入手できる。PDF 88ページ。コメントは2006年1月18日まで募集。
Draft Report On Folate And Disease Prevention http://www.sacn.gov.uk/#