食品安全情報blog過去記事

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ビスフェノールAのエストロゲン作用についての新しい研究とそのリスク評価への関連性について

22.12.2005
http://www.bfr.bund.de/cm/208/eine_neue_studie_zur_oestrogenen_wirkung_von_bisphenol_a.pdf
ビスフェノールaはプラスチック製造に使用される化学物質で、食品と接触する製品にも含まれる。プラスチックのほ乳びんにも使われている。しかし食器から移行する量は限られているため健康に悪影響が出るほど大量に摂取することはない。食品への移行は最大食品1kgあたり0.6mgで、現行のビスフェノールのTDI 0.01 mg/kgを超えることはない。この物質の毒性は発がん性などではなく、いわゆる「内分泌かく乱物質」の一種でエストロゲンの作用に類似する。
BfREUと協力して内分泌かく乱物質の低用量影響について評価を行っている。それとは別にEndocrinologyに発表された論文でラット脳でのビスフェノールAの影響を調べている。BfRはこの論文の現行のリスク評価における重要性を評価した。結果的にこの論文は消費者の健康リスク評価にはあまり重要ではなく、これまでのTDIを変更する必要はない。
問題の論文はこれ
Zsarnovszky et al. (2005) Endocrinology 146 5388-5396: Ontogeny of rapid estrogenmediated extracellular signal-regulated kinase signaling in the rat cerebellar cortex:potent nongenomic agonist and endocrine disrupting activity of the xenoestrogen bisphenol A
論文については12月5日EurekAlert記事として紹介済み



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