食品安全情報blog過去記事

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新規食品成分としての不けん化物の多いトウモロコシ胚芽油についてのNDAパネルの意見

Opinion of the NDA Panel related to maize-germ oil high in unsaponifiable matter as a novel food ingredient
12 January 2006
http://www.efsa.eu.int/science/nda/nda_opinions/1297_en.html
「不けん化物の多いトウモロコシ胚芽油」は精製トウモロコシ胚芽油の不けん化画分を真空蒸留により濃縮して得られたもので、脂肪酸組成や汚染物質についてはもとになる精製トウモロコシ胚芽油と同等であると考えられる。違いは不けん化画分が1.2g/100 g から10 g/100 gに増加していることとそれに伴うトリグリセリドの減少(98.8 g/100g から90.0 g/100 g)である。真空蒸留により多環芳香族炭化水素や他の有機汚染物質が濃縮されている可能性がある。そのためこれら汚染物質の濃度を規制するための適切な処置が必要である。
毒性・微生物学的性質・アレルギー誘発性についてはもとの精製トウモロコシ胚芽油と類似する。
新規食品は1gあたり70mgのステロールと20mgのトコフェロールを含む。申請者の提案ではこの製品は様々な食品に使用される。最大一日摂取量2gで40mgの総トコフェロール摂取になり、αトコフェロール7mgに相当する。ビタミンEのTDIは成人で300mg/日であり、この食品による超過はおこりそうもない。また一日摂取量2gで総植物ステロール摂取量140mgとなり、これはLDLコレステロールレベルを削減するのに必要な摂取量1日1-3gに及ばない。
NDAパネルは提案された使用条件ではこの新規食品はヒトが摂取しても安全であると結論した。