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中国産キャベツから基準値超える農薬8トン市場に(朝日新聞

クロルピリホスの)基準値0.05ppmに対し、東京検疫所で17日に0.09ppm、神戸検疫所で 26日に0.14ppm

クロルピリホスはいつも騒ぎのもとになるのだが、日本の基準はキャベツで 0.05ppmなのに中国は1ppm。 
中国を含む各国の基準値は以下のサイトのMRLデータベースから。

http://www.croplifeamerica.org/learn_more/mrl.htm


キャベツのクロルピリホス基準値は国により0.01から1ppmと100倍違う。
1ppmなのはアメリカ・中国・イスラエル・スペイン・イタリアなど。EU基準が1ppm。CODEXで0.1ppm。一番低い0.01はインド。
日本のクロルピリホス基準値はキャベツに似たようなものでもケールや白菜なら1ppmでOK。
つまりこれは安全上の問題ではない。こんな記事を書いて煽る、あるいはこの記事で大騒ぎするようではポジティブリスト制施行後が思いやられる。検査するほうもこんな違反をいくら検出しても食の安全にはあまり貢献しない、ということも自覚して欲しいのですが。
コンプライアンスは大事だけれど、基準値にキャベツを廃棄するだけの正当性があるとも思えないのです。たとえ自分が作ったものでなくても、食べものを捨てるのは心が痛むのですが。