食品安全情報blog過去記事

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ノコギリヤシは前立腺肥大に対してプラセボ同様の効果しかない

Saw palmetto no better than placebo for enlarged prostate
8-Feb-2006
http://www.eurekalert.org/pub_releases/2006-02/uoc--spn020706.php
New England Journal of Medicineの2006年2月9日号に発表された225人の男性を対象にした前向き二重盲検プラセボ対照無作為化試験の結果。
ノコギリヤシは米国では前立腺肥大の治療用として200万人以上の男性、特に60才以上では50%以上、70才以上では90%以上の男性に使用されていると推定される。これまで小規模の試験で有効性が示唆されていたが、通常の医薬品の効果を判定するのに使用される指標が使われていなかったりと問題が多かった。今回の試験で1日2回160mgのノコギリヤシを使用し、有効性も有害作用も見られなかった。
Saw Palmetto for Benign Prostatic Hyperplasia N Engl J Med 2006;354:557-566
編集者言
Proven and Unproven Therapy for Benign Prostatic Hyperplasia. NEJM 354: 632-634
医薬品がFDAに認可されるには厳密な科学的根拠が求められるがハーブサプリメントはそうした根拠が無く使用されている。ハーブが安全だと考えるのは危険である。医師はそうした情報を患者に伝える責任がある。