食品安全情報blog過去記事

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グルタミン酸ナトリウム

Mono-Sodium Glutamate (MSG)
http://www.nzfsa.govt.nz/consumers/food-safety-topics/chemicals-in-food/msg/index.htm
・MSGとは何か?
MSGは砂糖や塩に似た白色粉末で、市販品は通常発酵法により製造される。それ自体にフレーバーはない*が味蕾を刺激して食品のフレーバーを引き立てる。アジアの食品や缶詰野菜、スープ、ソースや加工肉などに使われる。
主成分はアミノ酸であるグルタミン酸である。グルタミン酸は肉やミルクなどの蛋白質を含む食品や、トマト、キノコなどに天然に含まれる。消化の過程で多くの他の食品の蛋白質からもグルタミン酸が作られる。
・何が問題なのか?
1960年代に、中華料理店で食事をした人が頭痛や焼けるような感じ、心拍数増加などを訴えてMSGの使用が問題になった。その後専門家が評価し、MSGは一般的に安全であるが一部の人に一時的反応を誘発する可能性があると結論した。最も最近のFASEBによる1995年のレビューでも同様の結果である。
・どういう症状が出るのか?
FASEB報告書によれば、MSGで症状が出る人の数は不明であるが以下のような反応が出る可能性があるとしている。首の後ろや手や胸が焼けるような感じ、腕や背中から首の後ろが麻痺する感じ、顔や頭、背中や手が熱い、顔に圧感、胸の痛み、頭痛、吐き気、心拍増加、喘息があるMSG不耐のヒトの呼吸困難、眠い、脱力。健康な人々では空腹時に3g以上のMSGを1時間以内に食べた場合に症状がおこる可能性がある。重症でうまく制御できていない喘息患者にこうした症状がみられる可能性が高い。MSGによる慢性疾患や長期症状の証拠はない。
・食品にMSGが含まれる場合どうすればいいか?
MSGはオーストラリア・ニュージーランド食品基準により食品への使用が認められている。MSGを含む食品は成分表に名前が記載されているかINSコード(621又はINS 621)と使用目的が記載されている。MSGの他にグルタミン酸カリウム(INS 622)、グルタミン酸カルシウム(INS 623)、グルタミン酸アンモニウム(INS 624)、グルタミン酸マグネシウム(INS 625)などが類似物質である。
MSGは他にレストランなどで調理される際に使用されることがあり、心配であれば尋ねることができる。MSGは食品を美味しくし、ほとんどの人には害にならない。過敏症の人には避けることを勧めるが、食品表示が一助となるであろう。

注* 「うまみ」という味は認められているはず。