食品安全情報blog過去記事

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WHOが新しい子どもの成長基準を発表

World Health Organization releases new Child Growth Standards
27 APRIL 2006
http://www.who.int/mediacentre/news/releases/2006/pr21/en/index.html
WHOは乳幼児の新しい国際成長基準を発表した。
子どもには個体差があるが、大きな集団として見れば平均的な成長は非常に似通っている。栄養が充分で環境や保健状態が整っていれば5才までの子どもの成長は似たようなパターンになる。この新しい基準をもとに子どもたちに必要な栄養や健康管理が足りているかどうかを知る一助となる。
子ども成長基準
The WHO Child Growth Standards
http://www.who.int/childgrowth/en/
各種資料がダウンロードできる。
(ブラジル・ガーナ・インド・ノルウェーオマーン・米国でのデータを元にしたもの。)


Natureニュース
あなたの赤ちゃんはどんなふうに成長すべき?
How should your babies grow?
27 April 2006
http://www.nature.com/news/2006/060424/full/060424-9.html
WHOの新しい子どもの成長ガイドラインは西洋諸国の子どもたちに過体重とされる子が増えることを意味する。
現在でも医師や保護者は子どもたちが健康に育っているかどうかを計る図を使っている。しかしそれらは1970年代のアメリカの子どもたちの調査を基にしたもので、当時多くの赤ちゃんが母乳ではなくミルクを与えられていた。WHOの新しい基準は良い医療を受けタバコを吸わない母親の母乳で育った6カ国の8,440人の子どものデータを集めたものである。
この研究の大きな発見の一つは、世界中から集めた子どもたちの成長曲線がほぼ正確に同じような軌道になることである。この結果は遺伝子の違いが赤ちゃんの成長を変えるという考えを否定し、機会が同じであればどの人種の赤ちゃんも同じように成長するということを意味する。
西洋諸国にとっては、新しい図は20-30%過体重と分類される子どもが増えることを意味する。古い成長曲線に示されたミルクで育った子どもより、母乳で育った子どもの方が体重が少なく成長がゆっくりであるからである。米国小児科学会の会員Frank Greerはこれは議論を巻き起こすだろうと語っている。
米国の専門家の間では、ミルクで育っている子が多いためこのWHO基準を採用するかどうかで議論が持ち上がっている。子どもたちが重いと判断されたら親が心配になる。
しかし成長速度を変えるためにミルクを変えるべきなのか、この体重の違いは健康上問題はないのかは不明である。一方であまりに早く体重が増加することは後の人生において肥満などのリスク増加につながるとの意見もある。

問題になっている表はこれ、
女の子の体重
http://www.who.int/nutrition/media_page/cht_wfa_girls_z_0_5.pdf
男の子の体重
http://www.who.int/nutrition/media_page/cht_wfa_boys_z_0_5.pdf

(日本人的にはちょっと重いかな?どうだろ。)


CPSC 米国