食品安全情報blog過去記事

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ベビーフードの化学物質調査

Chemicals in baby food surveyed
Thursday 18 May 2006
http://www.foodstandards.gov.uk/news/newsarchive/2006/may/pahsurvey
FSAは英国で販売されているベビーフード及び乳児用ミルク208検体中の多環芳香族炭化水素(PAH)濃度調査結果を発表した。全体的に検出された濃度は低く、乳幼児の健康にリスクとはならない。
PAHは約250の関連化合物のグループで、そのうちいくつかは高濃度ではヒト健康に有害影響がある。PAHは化石燃料が燃やされる際に生じるので環境中から検出される。またタバコの煙や排気ガスにも存在する。
PAHは大気中に存在するので土壌に入り、動植物にも検出される。海に入ったPAHは魚に入る。このためPAHはほとんどの食品に低濃度存在する。
今回の調査は2005年4月1日に発効した新しいEU規制に先立つものである。この規制ではベビーフードや乳児用ミルクのPAHに1 microg/kg又は1ppbの規制値を設けている。この調査の結果、新しい規制値を超えたものはなかった。
調査結果の概要
・ 英国全土から市販のベビーフード111検体と乳児用ミルク97検体について、15のPAHを検査した。ほとんどのPAHは多くの検体から検出されなかった。
・ 1 ppbを超えて検出されたものはない
・ ベビーフードの78検体(74%)と乳児用ミルクの57検体(59%)はPAHは検出限界以下であった。
・ ベビーフード3検体が他の検体と比べて比較的高濃度のPAHを含んでいた。しかし同じ製品の別のロットでは低濃度だった。
調査の詳細は以下から
Polycyclic aromatic hydrocarbons (PAHs) in baby foods and infant formulae
http://www.foodstandards.gov.uk/science/surveillance/fsisbranch2006/fsis0906
最も高頻度に検出される物質はクリセン(chrysene)、次いでベンズ(a)アントラセン、シクロペンタ(c,d)ピレンなど。濃度の高いもので摂取量推定を行いリスク評価を行って懸念は低いと結論している。
製品の名前・購入した店と場所など全て公開されている


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