食品安全情報blog過去記事

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過塩素酸だけではない?

More than just perchlorate?
July 5, 2006
http://pubs.acs.org/subscribe/journals/esthag-w/2006/jul/science/rr_perchlorate.html
食品中の過塩素酸塩の存在は注目を集めた。過塩素酸塩甲状腺ヨウ素取り込みを阻害するが、食品中に検出される他の物質にもヨウ素取り込み阻害活性がある。研究者たちは過塩素酸塩以外に、チオシアン酸塩や硝酸塩などの他のヨウ素取り込み阻害活性のある物質についても問題がないかどうか検討している。
先進国では主なチオシアン酸暴露源はタバコの煙に含まれるシアン酸によるものである。喫煙はヨウ素取り込みを阻害し母乳中のヨウ素含量を下げる。ブロッコリーやキャベツのようなアブラナ科の野菜もチオシアン酸の摂取源である。キャッサバも適切に調理しなければ大量のシアン産生源を含み体内でチオシアン酸に代謝される。
硝酸塩は多くの食品に含まれ、その量は過塩素酸塩より多い。葉物野菜では過塩素酸塩の1万倍にもなる。
In vitroCHO細胞の実験系では過塩素酸塩ヨウ素取り込み阻害活性は硝酸塩の250
倍、チオシアン酸塩の15倍であった。ほとんどの葉物野菜では過塩素酸塩より硝酸塩の方が100倍以上ヨウ素取り込み阻害活性が高い。
カリフォルニアやマサチューセッツでは州により過塩素酸塩基準が設定されているが、過塩素酸塩暴露によるリスクを評価するには硝酸塩などの他のヨウ素取り込み阻害物質についても考慮すべきである。
Analytica Chimica Acta  Volume 567, Issue 1 , 10 May 2006, Pages 87-93
Analysis of perchlorate, thiocyanate, nitrate and iodide in human amniotic fluid using ion chromatography and electrospray tandem mass spectrometry



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