食品安全情報blog過去記事

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人工甘味料:ノーカロリーで甘い

Artificial Sweeteners: No Calories ... Sweet!
http://www.fda.gov/fdac/features/2006/406_sweeteners.html
人工甘味料は、米国栄養学会ADAによれば、消費者がカロリーを削減し体重をコントロールすることや糖尿病のような慢性疾患を管理するのに役立ち、虫歯予防の可能性もある。
今日FDAが認可しているのは5つの人工甘味料で、これらは食品添加物として市販前に安全性を評価されて認可されている。認可された甘味料の典型的米国消費者の使用量はADI未満である。
以下に各甘味料の詳細情報を記す。


アスパルテーム
アスパルテームは砂糖の200倍甘い。そのカロリーは砂糖同様4kcal/gであるが、使用量から考えるとカロリーなしとみなすことができる。ブランド名としてはNutraSweetや Equalがある。1981年に初めて卓上用やガム、朝食シリアルや他の乾燥製品用として認可され、1983年には炭酸飲料に、1996年には全ての食品と飲料に一般用甘味料として使用認可が拡大された。
承認前にFDAはガンや有害影響がないという膨大な数の動物実験結果をレビューした。 この中にはヒトの摂取量の100倍以上高用量をラットに投与した研究も3つある。
1990年代半ば、1人の研究者が米国における脳腫瘍の頻度がアスパルテームの使用量の増加と関連があるという懸念を表明した。FDAの専門家によればアスパルテームとどのような種類のガンも関係があることを支持する科学的根拠はない。米国保社会福祉省の一部門であるNTPでもマウスにおけるアスパルテームの研究を行っており、ガンとの関連は示されていない。
2005年にEuropean Ramazzini Foundation (ERF)がラットに長期間アスパルテームを与えた新しい研究結果を発表した。ERFの科学者はアスパルテーム白血病とリンパ腫を誘発し、現在の使用は再評価されるべきだと結論した。しかしながらヨーロッパ食品安全局EFSAはこの研究を評価した結果、2006年5月に、ERFのデータからはその結論は導けないとする声明を発表した。ERF研究結果を知って、FDAはこの研究のデータを求め、一部を2006年2月に受け取った。FDAはレビューを完了したら結論を発表する。
FDAのCFSANの食品添加物安全性部長のLaura Tarantino博士によれば、「現時点では、 既に評価された膨大な情報を基にアスパルテームは安全であるというのが我々の立場である。この結論は100以上の安全性に関する毒性学的・臨床的研究の詳細なレビューに基づいている。」
アスパルテームは食べると体内でメタノールと二つのアミノ酸アスパラギン酸フェニルアラニン−に分解される。これらの物質は他の普通の食品からもっと大量に生じている。
フェニルアラニンが含まれるため、アスパルテームは遺伝的疾患フェニルケトン尿症の患者にはリスクとなる。この疾患の患者はフェニルアラニン代謝できないため、アスパルテームを避けるべきである。アスパルテームの規制には製品にフェニルアラニンを含むことを表示することを求めている。


サッカリン
サッカリンは砂糖の200-700倍甘くカロリーはない。ブランド名としてはSweet'N Low、Sweet Twin及び Necta Sweetがある。サッカリンは卓上甘味料、焼いた製品、ソフトドリンク、ジャム、チューインガムに使用されている。
サッカリンは1879年に発見され、1972年にリストから外されるまでは一般的に安全と認められる(GRAS)と見なされてきた。GRASは法律の定義では食品中に安全な使用の長い歴史があるか科学的根拠による。しかしもし新しい根拠により安全性に疑いがあればFDAはその使用を禁止したり安全性試験を要求したりできる。
1977年にFDAサッカリンが高濃度投与によりラットの膀胱ガンを誘発するとの懸念から使用禁止を提案した。それに反応して議会はサッカリン試験及び表示法Saccharin Study and Labeling Actを採択した。この規制は安全性研究が行われる間禁止を一時停止するものであった。同時にサッカリンを含む食品には、この甘味料に健康上のハザードがある可能性があり実験動物でガンを誘発することがわかっているという警告表示を要求した。サッカリンについてはヒトにおいて30以上の研究が行われた。
国立ガン研究所NCIによれば、さらなる研究の結果、サッカリンはヒトではガンを誘発せず、ラットにおける膀胱ガン発生メカニズムはヒトでは当てはまらない。
2000年にNTPはサッカリンは最早「発ガンの可能性のある物質」ではないと決定した。
2001年に連邦規制でサッカリンの警告表示の要求は取り除かれた。


アセスルファム-K(カリウム
アセスルファム-Kは砂糖の200倍甘くカロリーはない。ブランド名はSunettとSweet Oneである。アセスルファム-Kは1988年に特定使用目的で初めてFDAに認可され、1998年には飲料に、2003年には肉や家禽以外への一般使用が認められている。アセスルファム-Kは焼いた製品やフローズンデザート、キャンディー、飲料、咳止めドロップ等に使用されている。
FDAとJECFAはこの甘味料の安全性を評価した。90以上の研究がアセスルファム-Kの安全性を支持している。


ネオテーム
ネオテームは食品中での使用方により砂糖の7,000-13,000倍甘くカロリーはない。
FDAは2002年に一般目的甘味料として肉や家禽以外への一般使用を認可した。ネオテームは焼いた製品・ソフトドリンク・チューインガム・フロスティング(砂糖がけ)・フローズンデザート・ジャム・ゼリー・ゼラチン・プリン・加工果物及びジュース・ トッピング・シロップに使用されている。
ネオテームは構造的にはアスパルテームに類似しフェニルアラニンを含むが、その量が少ないため「フェニルアラニンを含む」との警告表示は必要ない。
FDAは100以上の動物やヒトでの研究データを評価した。これらのデータの評価の結果、食品に使用されている量のネオテームが有害事象をおこすことは考えられない。


スクラロース
スクラロースは砂糖の600倍甘くカロリーはない。スクラロースは砂糖から作られるが消化できないためカロリーにならない。ブランド名はSplendaである。110以上の動物やヒトでの研究データを評価した結果、FDAは1998年に15の食品カテゴリーについて使用を認めた。1999年には一般用甘味料として全ての食品に使用を認めている。