食品安全情報blog過去記事

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インドのコーラ戦争は科学の敗北である

India's Cola War Leads to Defeat for Science
August 8, 2006
http://www.acsh.org/factsfears/newsID.826/news_detail.asp
今日のニューヨークタイムスの記事(有料)はコカコーラとペプシのインドでのナショナリスト政府と環境グループとの戦いを説明している。彼らは農薬汚染が健康上の脅威となるとしてソフトドリンクを禁止しているが、これは公衆衛生上の問題ではなく政治的問題である。
農薬は農家の過剰使用によりインド中の地下水を汚染し、その結果として極僅かインドで生産されたコークやペプシに検出される。当然インドのあらゆる飲料に検出されるが、それらは禁止されない。環境グループCSEのリーダーSunita Narainはほんの少しの毒でも許容できないと言っている。これはつまり貧困と疾患で苦しむインドという国で、ヒトの健康に悪影響があることが証明できない「微量の毒」から消費者を守ることに全力を注いでいるということである。なぜ彼らは本当の政治的目的を隠すのに「消費者の安全」を持ち出すのか?
記事によれば、コカコーラとペプシはしばしば西洋文化帝国主義の象徴とみなされる。CSEの報告はナショナリストに都合が良い。コカコーラとペプシはインドで売り上げの多い米国企業であり、インドのナショナリストにとっては偽りの健康影響が「コカコーラ的植民地化Coca-Colonization」との戦いの盾となるのである。



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