食品安全情報blog過去記事

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オーストラリアのアデレード大学のDr. Christopher Prestonが反GM活動家のジェフリー・スミス氏の記事に反論する。

http://www.agbioworld.org/newsletter_wm/index.php?caseid=archive&newsid=2588
ジェフリー・スミス氏の記事は一つはこれ
http://www.seedsofdeception.com/utility/showArticle/?objectID=678
この記事で1996年から98年までモンサント社で働いていたKirk Azevedo氏の主張から、パーティクルガン方式で組換えた場合、未知の遺伝子変異がおこる可能性があって、その結果できた蛋白質プリオンなどを含み牛に餌として与えると狂牛病になる可能性があると主張している。
プレストン博士はこの記事の最大の問題は、批判されているモンサントラウンドアップレディ綿はアグロバクテリウム法で作られたものであることとしている。さらに植物にプリオンが検出されたことはなく(真菌にはある)植物プリオン由来のヒトの病気も知られていないと否定している。
さらにもう一つ
http://www.responsibletechnology.org/utility/showArticle/?objectID=505
リバティリンクトウモロコシについて。ジェフリー・スミスは作物の中で代謝されて失活した除草剤グルフォシネートが食べたヒトの腸の中で再びグルフォシネートになって悪さをすると主張している。
この話は僅かの事実を核に如何に大げさな話を作り上げるかの良い例である。グルフォシネートの代謝物はN-アセチルグルフォシネート(NAG)で、これは主に散布された葉に存在し食用となる穀物にはわずかしか存在しない。またNAGを食べさせた実験も行われており、変換率は低い。スミスは腸内細菌がNAGから変換したグルフォシネートがほとんど糞中に排泄されて吸収されていないということを述べていない。